中国の国家統計局が７月１８日に発表した全国の主な都市７０都市の６月の新築住宅の販売価格は、前月に比べ、上昇した都市の数が５５で、前回５月の調査結果より５都市減った一方、下落した都市の数は１０となり、前回より６都市増えて８ヶ月ぶりに増加した。
これは地方都市で需要の伸び悩みを背景に、値下げの動きが広がったことによるものとみられる。

中国では高い経済成長を維持しようと、ここ数年、全国で競うように不動産開発が進められた結果、地方を中心に大量のマンションが売れ残り、不動産関連企業の経営や地方都市の財政が厳しさを増して経済運営の課題となっている。
中央政府は、経済回復のため住宅規制の緩和政策や低金利政策を採っており、上昇に転じた不動産価格は、上昇都市とそうでない都市との差が明確になってきている。

なお、ロイターが統計局の指数に基づき算出した価格動向では、全国では前月比で０．８％上昇と５月の０．９％から伸びがやや鈍化している。
前年比での伸びが最も高かったのは基地外沙汰の深セン（４６．７％）、次が厦門（３３．６％＝アモイ）だった。北京は前年比２０．３％上昇と５月から伸びがやや加速。上海は２７．７％上昇で前月と同じだった。　ただ、こうした上昇都市でも前月比の伸びは鈍化傾向にある。

　 （注）国家統計局は多岐にわたる国の経済指数を発表しているが、今年５月にはデータを調達する企業との癒着から不正も発覚し、局長更迭、３百数十名が起訴 され、データが正確性に欠ける問題が発生している。元々、国が発表する経済指数は信用できないとする李克強首相の地方時代の逸話は有名で、彼が経済指数を 算出するのに用いた李指数の計算根拠が国外機関から再び見直されている。