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0927_04.jpgクルド自治政府(イラク北部などの山岳民族、スンニ派、1991年の湾岸戦争後自治政府樹立)および武装組織「ペシュメルガ」には、米軍撤退で、代わりにISを攻撃させるため、大量の武器を米軍が供与している。重火器は渡していないとしているが、それではモスルで大量の重火器を持ったISとは戦えず、ある程度の重火器も渡ったものと見られる。元々ソ連製の重火器は少々であるが持っていた。また、シーア派のイラク政府に追われた旧イラク軍(スンニ派)の武器も大量にクルド自治政府側に流れたとされる。

 過去、欧州列国が支配していた中東、独立させる際、それぞれの関与欧州国がその利権(石油等)を最大化させるため、世界最大の国を持たないクルド民族を作ってしまった経緯がある。

その結果、クルド民族は、イラン・イラク・トルコに分断され、トルコは自治政府も一切認めず、取り込んだものの、クルド人過激派組織と抗争を繰り返してきた。ただ、トルコでは圧倒的に弱者となっている。

現行のイラク政府は,シーア派でバックには、同じシーア派のイランがいる。イラク第2の都市モスルのISからの奪還は、ひ弱なイラク軍とイラン軍が有志として参加し、成功させた。(オバマがイラクを安定させるためにイランと交渉してのこと)

<選挙中間報告>
イラク北部クルド自治政府トップのバルザニ議長は26日、25日実施した独立の是非を問う住民投票について「賛成票は独立の肯定であり、虐殺への反対だ。我々は新しい段階に突入した」と述べ、勝利を宣言した。
 選管当局は開票作業を続けており、投票結果をまだ発表していない。現地メディアによると開票序盤の集計で9割超が賛成票を投じたもよう。

イラクの中央政府に対し「対話の扉を閉ざさないよう求める」と交渉に応じるよう呼び掛けた。テレビ演説で語った。
また、イラク中央政府は、投票を「憲法違反」として強く反発。
アバディ首相は26日の記者会見で、72時間以内にクルド人自治区内にある2つの国際空港の管理を引き渡すよう要求した。
応じない場合は、自治区を発着する国際線の運航を禁じる封鎖措置を科すと警告した。
以上、

クルド人はアレヴィー・クルド(トルコ)とスンニ・クルド(イラクなど)に分かれるが、トルコでは、民族浄化に伴い、疎外されている。
クルド自治政府の軍事組織とは別に、シリア北部からトルコにかけて、共産勢力のクルディスタン労働者党の武装組織「PKK」がいる(以前はシリアが支援していた)。この組織にも米軍から武器が供与されている(直接・間接不明)。

この共産組織の女性兵士たちが、シリア北部で多くの町をISから開放した。ISなどムスリムは、女性に殺されれば昇天できず最悪だとの考え、ほとんど逃げ出したそうだ。

今後、ISと戦い武器も豊富に持ったクルド民族自治政府が、イラクの自治政府管轄地での独立闘争に入る公算が高い。
イラク北部で独立すれば、弾圧下のトルコのクルド人も過激化する可能性がある。圧倒的なトルコ軍に、勝負にはならないが、ゲリラ闘争が繰り広げられ、首都アンカラなどでの爆弾テロが頻発する可能性が高い。

欲深い欧米はクルド民族に対して知らん顔しているが、今日の状況を作り出しているのはほかならぬ欧米である。