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米捜査当局は10月26日、医師らに賄賂を渡し、鎮痛剤「オピオイド」を必要ない患者にまで処方させたとして、ナスダック上場で米製薬会社大手のインシス・セラピューティクス(Insys Therapeutics)のジョン・カプール最高経営責任者(CEO)らを逮捕した。

同社は、商用段階の米国の医薬品会社。支持療法製品を開発し商業化。製品は、オピオイド耐性患者における癌性疼痛のための舌下フェンタニルスプレーの「SUBSYS」、マリノール(ドロナビノール)のジェネリック医薬品などの「ドロナビノールSGカプセル」がある。

<トランプ大統領 「オピオイド危機・非常事態宣言」>
アメリカでは、オピオイドの乱用による死者が急増しており、トランプ米大統領は26日、全米を蝕む「オピオイド危機」に対して、公衆衛生上の「非常事態」を宣言した。

乱用の背景にあるとされる製薬会社の過剰な売り込みに対し、当局も取り締まりを強化していた。
オピオイドは、ケシを原料(=アヘン)に作る医療用鎮痛剤の総称で、モルヒネ、コデイン、フェンタニルなども含まれる。

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がんの強い痛みに効果があるが中毒性も強い。
それが怪我や関節痛など通常の痛みに対しても、安易に処方されていたことから中毒になる人が続出している。

米疾病対策センター(CDC)によれば、中毒患者数はざっと200万人、過剰摂取による死者は2016年だけで6万4千人に達している。(別途、処方者は1100万人超との報道あり)

今回逮捕されたインシスの創業者でビリオネア(富豪)のカプールの容疑について、米司法省は、「本来は、がん患者の痛みを抑えるために処方されるオピオイドの一種、フェンタニル・スプレーを過剰に処方させ、不当な利益を得た」と発表した。
医師に賄賂を渡し、フェンタニルを有効成分とする鎮痛剤「サブシス(SUBSYS)」を患者に処方させた罪に問われている。

「麻薬密売人も同然」
裁判所の記録によれば、カプールとマイケル・バビック元CEOは、医師や薬剤師に対し、講演料やマーケティング費、食費、娯楽費などの名目で、リベートや賄賂を渡していた。

同社のアレック・バーラコフ元営業担当副社長は、講演を依頼する医師について、「講演の質は問わない」と部下へのメールに書いていた。
「必要なのは、大量の処方箋を書いてくれる医者だ」
がん以外の患者には、オピオイドを認めない保険会社には、従業員が身元を偽って電話をかけ、患者の病状や痛みの程度などについて嘘の説明をさせた。

「がん患者のための鎮痛剤で、中毒性が高いオピオイドをがんでもない患者に売りつけるのは、麻薬密売人と変わらない」と、米連邦捜査局(FBI)ボストン支局主任特別捜査官ハロルド・ショウはインシス幹部を非難した。
以上、

<問題になるまで急成長>
インシス・セラピューティクス/千米ドル
連結
16/12
15/12
14/12
13/12
12/12
売上高
242,275
330,797
222,125
99,289
15,476
営業利益
7,326
92,430
64,023
32,559
-23,440
税引前利益
8,424
92,968
64,176
31,577
-24,378
当期利益
7,590
58,476
37,977
40,377
-24,378
・オピオイド系鎮痛剤=医療用麻薬は2016年から問題が表面化。
・オピオイド系鎮痛剤を拡販させたことにより急成長していた。
 
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