不動産経済研究所が1月22日に発表した2017年の首都圏のマンション市場動向によると、2017年(1月~12月)のマンション供給は前年比0.4%増の3万5,898戸で、4年ぶりの増加となった。
分譲価格の平均は、1戸当たり同7.6%アップの5,908万円で2年ぶりに上昇し、1990年以来の高値となった。
エリア別では、
東京都区部が同6.9%アップの7,089万円、
東京都下が同1.4%アップの5,054万円、
神奈川県が同9.6%アップの5,524万円、
埼玉県が同2.6%アップの4,365万円、
千葉県が同0.3%アップの4,099万円で、
全エリアで上昇した。
一方、全国宅地建物取引業協会連合会と全国宅地建物取引業保証協会は、「住宅の居住志向および購買等に関するアンケート調査」を実施し、その結果を1月23日に発表した。調査対象は、国内在住の20歳以上の男女1万4,331名で、調査時期は2017年9月1日~10月31日。
調査時の不動産については、
「買い時だと思う」が、前年比▲0.5ポイント減の19.9%、
「買い時だと思わない」が同2.4ポイント増の24.7%、
「分からない」が同2.6ポイント増の55.4%となり、買い時感が前年より減退していた。
不動産が買い時だと思う理由を聞くと、
「住宅ローン減税など税制優遇が実施されているから」が34.5%で最も多く、
「住宅ローンの金利が上昇しそうなので・今の金利が低いので」が23.2%、
「消費税率が上がる前だから」が22.3%と続いた。
一方、不動産が買い時だと思わない理由としては、
「自分の収入が不安定または減少しているから」が38.6%で最も多く、
「不動産価格が下落しそうだから」が33.7%、
「地震などの天災が心配だから」が10.3%と続いた。
現在の居住形態に関わらず「持ち家派」かは、「持ち家派」が84.9%で「賃貸派」が15.1%だった。
持ち家派の理由(複数回答)では、
「家賃を支払い続けることが無駄に思えるから」が63.1%で最も多く、
「落ち着きたいから」が43.9%、
「持ち家を資産と考えているから」が39.4%と続いた。
賃貸派の理由では、
「住宅ローンに縛られたくないから」が59.0%で最も多く、
「仕事等の都合で引越しする可能性があるから」が37.5%、
「家族構成の変化で引越しする可能性があるから」が31.6%と続いた。
不動産価格の高騰が続く中、収入への不安、将来の価格下落を懸念する人も多く、不動産の「買い時感」は減退傾向にあるようだ。
以上、報道参考
野村不動産アーバンネットが2017年8月、同社の不動産情報サイト会員1,416名を対象に「住宅購入に関する意識調査(第13回)」を実施し、その結果を8月9日に発表した。(調査期間は2017年7月20日~26日)。
不動産の買い時感について聞いたところ、
「買い時」41.1%で、買い時だと思う10.7% どちらかと言えば買い時だと思うが30.4%と回答だった。2017年1月に実施した前回調査より▲3.5ポイント低下した。
一方、「買い時だと思わない」は37.6%で同6.4ポイント上昇した。
「わからない」は21.4%。
なお、アベノミクス元年の2013年7月の調査時には、「買い時」と回答した人は63.3%に達していた。(不動産投資に火をつけた相続税改正は2015年1月1日施行)
住宅着工戸数に占める貸家の割合推移
|
||||||
|
総着工戸数
|
貸家
|
貸・社除
|
|||
西暦
|
戸数
|
前年比
|
戸数
|
前年比
|
シェア
|
|
2003年
|
1,160,083
|
0.8%
|
451,629
|
0.3%
|
38.9%
|
1.1%
|
2004年
|
1,189,049
|
2.5%
|
464,976
|
3.0%
|
39.1%
|
2.2%
|
2005年
|
1,236,175
|
4.0%
|
504,294
|
8.5%
|
40.8%
|
1.1%
|
2006年
|
1,290,391
|
4.4%
|
543,463
|
7.8%
|
42.1%
|
2.1%
|
2007年
|
1,060,741
|
-17.8%
|
441,733
|
-18.7%
|
41.6%
|
-17.1%
|
2008年
|
1,093,519
|
3.1%
|
464,851
|
5.2%
|
42.5%
|
1.6%
|
2009年
|
788,410
|
-27.9%
|
321,470
|
-30.8%
|
40.8%
|
-25.7%
|
2010年
|
813,126
|
3.1%
|
298,014
|
-7.3%
|
36.7%
|
10.3%
|
2011年
|
834,117
|
2.6%
|
285,832
|
-4.1%
|
34.3%
|
6.4%
|
2012年
|
882,797
|
5.8%
|
318,521
|
11.4%
|
36.1%
|
2.9%
|
2013年
|
980,025
|
11.0%
|
356,263
|
11.8%
|
36.4%
|
10.5%
|
2014年
|
892,261
|
-9.0%
|
362,191
|
1.7%
|
40.6%
|
-15.0%
|
2015年
|
909,299
|
1.9%
|
378,718
|
4.6%
|
41.6%
|
0.1%
|
2016年
|
967,237
|
6.4%
|
418,543
|
10.5%
|
43.3%
|
3.4%
|
2017年
|
964,641
|
-0.3%
|
419,397
|
0.2%
|
43.5%
|
-0.6%
|
・貸家は貸し家+アパート+賃貸マンション/貸・社除くは賃貸住宅+社宅・官舎で、注文住宅+分譲マンション+分譲戸建住宅を指す。
|
||||||
・2008年リーマンショック、2011年大震災、2013年~アベノミクス、2014年消増税、2015年相続税改正、2012年の貸家増は復興住宅あり
|