sponsored

今秋開催されるラグビーワールドカップで会場の一つとなる熊本市の「えがお健康スタジアム」で、大型ビジョンの鉄骨土台の建設が止まっている。
原因は業界が「まさか足りなくなるわけがない」と思っていた小さなボルトがない。

供給不足となっているのは、橋梁や鉄骨で使用される特殊な鋼材でつくられる「高力ボルト(ハイテンションボルト)」。
建設業者などの8割超が工期に影響が出るとしており、各地で完成遅れの懸念が生じている。

国内ボルトメーカーは、日鉄住金ボルテンなど数社。毎月の生産能力は合計1万トン程度にとどまり、需要に追いつかない。
ボルトの母材である特殊鋼線材は、需要が底堅い自動車部品でも使用することから、必要量の確保も簡単ではないという。
価格のトン当たり30万円前後で上昇しているという。

工事遅延などの影響を重くみた国交省は昨年末、経産省と共同で需要家の建設業界やボルトメーカーの団体に要請を出した。
建設業界側に余分な発注を抑えるよう求め、メーカー側には受注への計画的な対応を要請した。

建築工事の遅れだけでなく、ボルトが調達できず建設計画が中止になるケースも出始めている。
建築工事の遅れが長期化すると他の建築用鋼材の荷動きを抑え、鋼材需要を冷やす可能性もある。
慢性的な不足が続くなか、韓国製ボルトの供給が増えている。
昨年に日本政府の認定を受け、毎月500~1000トンの輸入量になるとの見方もある。
ただ、ある鋼材商社のボルト担当者は「不足が解消する感触が得られなければ価格もまだ上がる可能性がある」と指摘しているという。
東京五輪や首都圏再開発に関連した工事が続くのに加え、インフラ補修などの公共投資も本格的に始まる。
ボルトの品薄が解消しなければ、大規模再開発プロジェクトなどの遅延や他の鋼材出荷の落ち込みなどに繋がる可能性もある。
以上、