トラステックスホールディングス/新経営陣が22億円損害賠償請求
大証2部に上場していたトラステックホールディングスの前社名である軽貨急配は、2007年3月末時点で約16億円の債務超過に陥っていたが、CLSA(ハゲタカファンドの種類)の支援を受け債務超過を解消 、2008年3月末時点で約3億円の資産超過に改善。
創業者一族は退陣し新経営陣とファンドからの派遣役員により「ビジネスモデル」の改革が進められていたが、2008年9月末時点で再度債務超過となっていた。07年4月現社名に変更したあと純粋持ち株会社になり、新「軽貨急配」を設立した。09年2月には上場を廃止している。
平成20年11月21日には平成17年9月期から20年3月期まで、実際には赤字経営で債務超過などにあったにもかかわらず、粉飾して黒字としていたとして課徴金の支払を命じられている。
同社のビジネスモデルは、運送車両を持たない運送会社として、軽貨物車の運送仕事を受注して、契約者の軽貨物で運送するというやり方である。しかし同社と契約する軽貨物自営者は、契約料のほか同社から車両を購入することになっており、その車両代が馬鹿みたいに高く軽貨物自営業者は、車両代のローンの支払でなかなか儲からない。仕事もあるとは限らず辞めたらローンだけが残る。通常の架装代含む車両代の約2倍の価格で契約者に販売していた同業者は裁判で負けている。
百万円 | 19/3期 | 20/3期 | 21/3期 |
売上高 | 43,436 | 29,412 | 24,510 |
当期利益 | -5,374 | -3,463 | -1,290 |
百万円 | 純資産 | 総資産 | 自己資本率 |
21/3期 | 1,201 | 7,525 | -13.3% |
機動建設工業や日本建設を傘下に持つCLSAが同社の68.15%の株を有するが、問題だらけの軽貨急配を良く調べもせず実質買収したものの(平成11年頃から粉飾していた)、不景気から仕事は減るわ、運送を担当する契約者からは燃料費の高騰でサヤ抜きも減ずるわで失敗作となったのであろう。
今回、現経営陣が旧経営陣に対して22億円の損害賠償請求訴訟を起こしたが、旧経営陣は当時の決算は監査法人の監査を適正に受けており何ら訴えられる覚えはないと開き直っている。
※CLSAは大丈夫であろうか???
[ 2009年11月 4日 ]

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