アイコン 韓国勢が市場の7割強を握る半導体市場、 産業の米も豊作時代 日本が通った道

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米調査会社IHSによると、2015年4~6月期のDRAMの世界市場での売上高シェアは、
1位はサムスン電子が45.2%
2位はSKハイニックスで27.3%
3位は米マイクロン・テクノロジーで20.4%
以上3社の世界市場占有率合計は92.9%だった。

過去、日本勢が韓国勢に駆逐された半導体市場、市場占有率を高めようとサムスン電子とSKハイニックスは挙って巨大な生産工場建設に走っている。
しかし、目下の需要先市場であるPC市場は縮小を続け、スマホ市場の伸びは急速に鈍化している。こうした状況を次のとおり、韓国紙は掲載している。

世界の半導体メモリー業界では、サムスン電子とSKハイニックス、米マイクロンの安定した3強体制下、この2年間にわたり好況を享受してきた。しかし、「冬」が近づいているという。
パソコン需要が減少し続け、スマホ市場の成長に急ブレーキがかかったことで、価格が下落の一途を辿っていることによる。今のような供給過剰状態は、来年まで続くと見込まれている。

<急激な価格下落>
半導体市場調査会社のDRAMエクスチェンジが4日報じたところによると、パソコン向けDRAM(記憶保持動作が、必要な随時書き込み読み出しメモリー)の代表製品となる「DDR3」4ギガビット(Gb)品の1個当たりの価格は、9月の2ドル(約243円)から10月末には1.78ドル(約216円)と▲11%急落。昨年12月末(3.59ドル=約436円)と比べると、1年もたたずに50%以上値下がりしたことになる。
 スマホやタブレット端末などモバイル機器のデータ保存に使われるNAND型フラッシュメモリーも値下がりしている。
マルチ・レベル・セル(MLC)タイプの64Gb品は、9月末には1個2.27ドル(約276円)だったが、10月末には2.19ドル(約266円)に▲3.5%下落している。

<供給過剰・値崩れ>昔と変わらず 
さらに深刻な問題は、現在の供給過剰状態が当面解消しそうにないこと。
価格下落の中でもシェア確保のために生産し続けるというDRAM市場の「チキンゲーム」が2012年以降は消滅し、半導体メモリー大手3社は30~40%の高い営業利益率を出してきた。
そうして蓄えた資金を昨年から再投資し、供給量が大幅に増えている。
サムスン電子は、最新17ラインの半導体向けウエハーの生産量を月4万枚から5万枚に増やす予定、
SKハイニックスも8月に「M14」工場を完成させてウエハーの生産量を大幅に引き上げている。
両社はまた、品質と生産性を高めるための微細プロセスの導入を一段と加速化させている。
DRAMエクスチェンジは、「参入障壁を高めようとする両社の動きにより、結局は供給過剰が避けられない」と分析している。

<中国勢の動き>
 供給過剰を煽るもう一つの要素は、中国企業の参入の動きがある。
中国半導体大手の紫光集団は、世界4位のNAND型フラッシュメモリーメーカーの米サンディスクを迂回買収し、メモリー市場に参入しいる。
約30年前にメモリー事業から撤退した米インテルも、中国企業とタッグを組んでメモリー市場への再参入を狙っているという。
 調査会社のIHSも4日、DRAM価格の下落はこの先1年ほど続くとの見方を示している。

<トップ2社の巨大工場建設>
SKハイニックスは10月25日、単一の建物としては世界最大規模となる半導体工場「M14」(利川新工場)が完工させた。
敷地面積は5万3千平方メートル、最高で月間20万枚の300ミリウエハーを生産可能。年内に月間3千枚のウエハー生産能力を確保し、生産量を徐々に増やす。2024年までに利川と中部・忠清北道清州市にそれぞれ半導体工場を新設する計画。

サムスン電子は、15万人雇用とされる平沢市に巨大半導体工場を建設中。

DRAMエクスチェンジの報告では、
4~6月期のモバイル向けDRAMの世界市場での売上高シェアは、
1位 サムスン電子が57.6%、
2位 SKハイニックスが23.9%
3位 マイクロン・テクノロジー(米国、16.5%)、
4位 南亜科技(台湾、1.2%)、
5位 ウィンボンド・エレクトロニクス(台湾、0.7%)
の順だった。

寡占の強みはあるが、巨額開発投資が求められ続け、将来まで安泰かはわからない。現在も、寡占下にありながら、すでに値崩れしている現実がある。特にDRAMは常に競争に晒される半導体でもある。
 

[ 2015年11月 5日 ]
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