アイコン 大成JV 99.998%落札の「海の森水上競技場」ほか3案件の詳細と全貌

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整備予算の膨張が問題となっている東京五輪の「海の森水上競技場」の入札に、専門家から疑問の声が上がっていると報じられている。

  どうせ、公共工事、国や東京都の大枠の公共投資予算の中の部分であり、問題ないとして、やりたい放題のようだ。
 
   国交省が談合をなくす手法として登場させた総合評価方式は、3項目以上をそれぞれ点数化して、その合格点で受注業者を決定することから、入札する業者の 談合をかなり防止できるものの、恣意的な点数をつける役所の人や有識者とされるいかがわしい人たちが選考委員を務めることから、官製談合の巣窟・宝庫と なっている現実が前提としてある。
 
スクープで勢いだらけの週刊文春は次のように報じている。
「海の森水上競技場」は、ボートとカヌー・スプリントの競技会場だが、東京都が整備予算を負担する恒久施設の一つ。
開催都市立候補の段階では約69億円の予算だったが、開催決定後、周辺工事費用などが含まれていなかったとして約1038億円まで風船が飛行船並みに膨れ上がった。
結局、試算を見直し、約491億円となったが、小池百合子知事は「500億円を海に捨てるようなもの」と批判している。
「海の森水上競技場」のグランドスタンド棟や水門などの整備工事は、新国立競技場を受注した大成建設を中心とするJV(ジョイント・ベンチャー)に決まったが異例ずくめ。
まず、入札に参加したのは大成のJVのみだった。
また、248億9863万9680円の予定価格に対し、大成のJVの入札価格は248億9832万円だった。
予定価格を上回れば、入札不調となるが、僅か31万円ほど安いギリギリの価格での落札で、落札率で言えば99.99%となる。
 
20年以上、公共工事をウォッチしてきたという法政大の五十嵐敬喜名誉教授が語る。「官製談合を疑われても仕方がないケースです。落札率が99.99%で価格点は限りなくゼロに近く、技術点も60点中36点と非常に低い。しかも、これだけの大規模工事にもかかわらず、技術提案書の締切りの後、技術審査委員会は2回しか行なわれていません。他の恒久施設の審査では外部有識者がいるのに、今回は審査委員6人のうち5人が都港湾局の職員です。こうした点からも、公平性・透明性に欠けると言わざるを得ません。入札過程を検証する必要があります」
 
大成建設の広報は、週刊文春の取材に対して、次のように回答した。「工事受注者の選定につきましては、適正な手続きに基づき行われているものと認識しております」
 
発注者の都港湾局も「落札者の決定は適正に行われております」と回答した。
 
「海の森水上競技場」については、巨額の予算だけでなく、風や騒音の問題で選手や競技団体からも批判の声があがっており、今後論議を呼びそうだ。
 (大成建設は新国立競技場も落札している)
週刊文春9月8日発売号では、森喜朗・東京五輪組織委員会会長と大成建設など五輪施設受注企業との関係について詳報する。
 以上、文春等報道参照
 
<過去の関連記事>
東京都は2016年1月14日、20東京五輪で新設する競技施設のうち、設計・施工を一括して公募していたボートとカヌー・スプリント会場の「海の森水上競技場」など三施設の落札業者が決まったと発表した。
 
1、水上競技場の入札は一事業体だけ。コストは予定価格から下がらなかった。
東京湾の中央防波堤に造る水上競技場は、大成建設などのJV(共同企業体)のほかに入札はなく、落札額は249億円。
公表されていた予定価格より32万円低いだけのピッタシカンカンだった。設計費や予備費などを含めた総事業費は491億円。
一事業体だけだったことについて、都の担当者は、ポンプの据え付けや水門などの工事は専門性が高く「施工条件が厳しかったのでは」と説明している。
 
2、水泳会場のオリンピックアクアティクスセンター(江東区)は入札した3つのJVの中から、大林組などでつくるJVが落札した。落札額は470億円で、落札率は87.26%。
 
3、バレーボールなどの有明アリーナ(同)は、二つのJVのうち、竹中工務店などのJVが、360億円で落札した。落札率は99.82%だった。
落札事業体はいずれも、異なる工事を手分けして担う異業種JV。
 
事業者側の技術提案を有識者らの審査委員会が審査し、価格面も含め評価が最も高い事業体を落札者に決めた。2月開会の都議会に契約議案を上げ、議決後に契約を結ぶ。
となっていた。
 
<都議会の自民党のドン内田茂氏が監査役を務める東光電気工事に最優先権か>
電気工事のある案件は東光電気工事に最優先権があるようだ。ということは東京都議会の自民党のドンとされる内田茂議員は東光電気工事の監査役であり、東光と組むゼネコンが落札することになる。
 ちなみに、今回問題とされた99.998%落札の大成JVの案件には電気工事がないが、電気工事のあるアクティクスセンターも有明アリーナもちゃんと東光電気工事が入ったゼネコンJVが落札している。
 
<地方自治法 第九十二条の二>「兼業禁止規定」はザル法の「精神条項」
 普通地方公共団体の議会の議員は、当該普通地方公共団体に対し請負をする者及びその支配人又は主として同一の行為をする法人の無限責任社員、取締役、執行役若しくは監査役若しくはこれらに準ずべき者、支配人及び清算人たることができない。
(国会議員たちは賢く、地方議員に対して法律では、こうした制約を課しているが、抵触した場合でも、議会で2/3の可決が無ければ失職はしない、要は与党議員がこの「兼業禁止規定」で罰を受けることは事実上起こりえないというザル法を作っていることにある)
 
<東京都港湾局・オリンピック・パラリンピック準備局が発注した五輪施設>
1、オリンピックアクアティクスセンター(仮称)(27)新築工事
(1) 落札者
 大林・東光・エルゴ・東熱異業種特定建設共同企業体
 建築工事(大林組、鉄建建設、西武建設、TSUCHIYA)
 (所在地:東京都港区港南二丁目15番2号)
・電気工事(東光電気工事、栗原工業、新生テクノス)
・給排水衛生工事(エルゴテック、櫻井工業、池田煖房工業)
・空調工事(東洋熱工業、大成温調)
2予定価格
53,841,950,640
(2) 落札金額
 46,980,000,000円(税込価格)
予定価格
53,841,950,640円(税込価格)
落札率:87.225%
(3) 契約期間
 契約確定の日から平成31年12月20日まで
なお、総事業費は615億円となっている。
 
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2、有明アリーナ(仮称)(27)新築工事
(1) 落札者
 竹中・東光・朝日・高砂異業種特定建設共同企業体
(所在地:東京都江東区新砂一丁目1番1号)
・建築工事(竹中工務店、鉄建建設、福田組、株木建設、京王建設)
・電気工事(東光電気工事、トーエネック、栗原工業)
・給排水衛生工事(朝日工業社、大橋エアシステム)
・空調工事(高砂熱学工業、東洋熱工業)
(2) 落札金額
 36,028,800,000円(税込価格)
予定価格
3,609,544,8000(同)
落札率:99.815%
(3) 契約期間
 契約確定の日から平成31年12月9日まで
(次点の鹿島・日本電設・須賀・大氣社異業種特定建設共同企業体の入札価格は(税抜325億円、落札の竹中JVは333億60百万円)
なお、総事業費は403億円となっている。
 
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3、平成27年度海の森水上競技場整備工事
(1) 落札者
 大成・東洋・水ing・日立造船異業種特定建設共同企業体
 (所在地:東京都新宿区西新宿六丁目8番1号)
・河川工事(大成建設、五洋建設、佐藤工業、岩田地崎建設)
・建築工事(東洋建設、大末建設)
・ポンプ据付け(水ing)
・水門門扉(日立造船)
(2) 落札金額
24,898,320,000円(税込価格)
予定価格
24,898,639,680円(税込価格)
落札率:99.998%
3)契約期間
 契約確定の日から平成31年3月28日まで
なお、総事業費は491億円となっている。
 
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 いずれも平成28年第一回都議会定例会に付議し、議決後、契約を締結。
 契約後は、実施設計段階においても「都立競技施設整備に関する諮問会議」を活用するなどし、施設整備を適切に進め.る。
としていた。
 
東京都の設計部門が予定価格を設定するときに、ゼネコンから見積もりを取っていたのだろう。

 

海の森水上競技場整備工事の技術審査委員の方々
 
 
現 職 名
委 員 名
1
委 員 長
港湾局技監(兼務)オリンピック・ハラ準備局技監
石山 明久
2
委員
港湾局 港湾整備部長
小野 恭一
3
委員
港湾局 開発調整担当部長(兼務)オリンピック・ハラ施設整備担当部長
原 浩
4
委員
港湾局 計画調整担当部長
角 浩美
5
委員
オリンピック・パラリンピック準備局施設輸送担当部長
花井 徹夫
6
委員
港湾局東京港建設事務所長
山岡 達
有識者は審査のチェック機能として構成することを義務付けられているが、技術などわかりようもなく、ほとんどが国や自治体の言いなりになる有識者として便利な御用の方々ばかり。
 
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[ 2016年9月 8日 ]
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