中国報道問題シリーズ③
経済成長率疑惑
ここまで、世界不況が深刻になると中国くらい頑張ってもらわないと困る。しかし、これまで低労働コストを基に世界に輸出して成長を遂げてきた中国である。
世界同時不況の影響は、特に輸出国に大打撃を与えている。輸出部門がGDPの43%を占める中国であり(ニューヨーク大学周教授)、中国でも多くの輸出企業が破綻、多くの農民工が仕事もなく田舎に帰っていく姿が昨年までテレビで何回も報道されていた。
それに対して中国政府は、54兆円の内需拡大策を採ったことから、まったくそうした放映はなされなくなったばかりか、万博景気にまだかろうじて沸く上海の景気だけがクローズアップされている。中国も内需拡大を目指し、自動車販売台数も08年940万台に達したものの、09年になると不況対策からローン0金利や減税政策を導入、また田舎民に対する家電製品の普及目的での政策による値引販売にて経済の立て直しを図ろうとしている。しかし、一部富裕層(都市部3億人、2割6,000万人が該当)に対しては効果あるものの田舎(10億人)の消費増に結びつくか疑問視されている。
モーターショーやマンション購入のような報道されるものの現実は全く報道されていない。外国での報道であれ、その後中国での取材が出来なくなる恐れがあることから、大手メディアの情報は半分しか信用することは出来ないといえる。
失業率も中国政府は5%に達していないと報道しているが、正規雇用者は別として首になった農民工の失業者も含めると相当数の失業率になるとの世界的な見方が一般的だ。経済成長率も算出方法そのものが中国独自の算出方法による経済成長率とされている。2009年のOECDによる予測では6%まで落ち込むとしているが、中国政府は8%以上の成長率を宣言している。1年後そのとおりの発表数値となるであろう。