アイコン 平成21年の住宅着工件数分析⑤/今年の見通し/分譲マンション②

福岡の分譲マンション市場は、今年央から末までには少し回復してくると見られるが、肝心のデベロッパーが、死に呈になっている。死に呈にしているのは地場金融機関である。傷を負っても直るデベと直らないデベがいる。多少なりともどこのデベも傷を負ったが、資金さえ供給してもらえば今でも着工したいデベは多い。ところが、福岡銀行・西日本シティ・佐賀銀行が完全に融資を止めている。

しかし、西日本シティ銀行は、関係の深い作州商事に対して積極的に資金を供給している。現在熊本2現場、大分1現場、もう直ぐ粕屋のサティ横に300戸の大型マンションも春には着工予定である。作州は、西日本シティ銀行に対して市場動向を分析し、説き伏せ融資を引き出したのであろう。西日本シティ銀行も不動産関連融資残を落とすわけにもいかず、目の届く作州に貸し付けているのであろう。これらの建築会社も目の届く旭工務店が担当している。
以前からのデベロッパーでは、自己資金豊富なJR九州と西鉄は健在であるが、新栄住宅は開発に暫くお休みをかけており、ソロンは消え、ユニカも昔の面影はない。
元気のいい西武ハウスは空港東に大型マンションを完成させたが販売に難儀しており、暫くは九大学研都市駅前の物件とともに販売に集中するものと思われる。
九州の暴れん坊となった穴吹興産Gは、価格を抑え回転を効かしていたが、市況から開発はトーンダウンさせている。現在、福岡都市圏で6棟販売中(九州で10棟)。
北九州勢の筆頭第一交通産業は、開発を止める話もあったが、テンポを遅くして開発している。しかし、販売中物件も多く、大型物件の小笹次第では本当に開発を止める可能性もある。
新興勢力で実力者のアーム・レポは、懸案の荷が降り、次の開発は博多リバレイン横のマンション次第であろう。ファミリーは開発しだしたが、スポンサーは細っており、思うように開発できていない様子。アルシスホーム(旧、小串建設)も今は開発を控えている。
完成前に完売完売で販売力を見せ付けているダックスは、福岡市場での開発は、過剰感からここのところずぅっと見送っており、現在熊本と国分で開発販売している。熊本では熊本県初となる太陽光発電システムを取り入れたマンションを建設中である。場所・主婦に喜ばれる内装と住設機器・価格を合わせ持つマンション作りで躍進している。


福岡のマンション市場は、長年地場デベロッパーが市場を圧倒してきた。しかし、サブプライムローン問題から、金融機関の貸し渋りにより異変が生じた。それまで金融機関が地場デベロッパーに対して資金を出し過ぎていたこともあるが、新規開発資金を急激に貸し渋り、一部デベは開発しか毛頭なく資金の調達先として、新たに資金源となったファンドやノンバンクの資金を多用、開発を続けたことも供給過多状態を作り出した。その反動で大きなダメージを受け、地場デベの多くが現在開発できない状態に陥っている。そのため地場では西鉄やJR九州は奮起しているものの、積水など中央大手が福岡市場では凌駕、地場勢は没落している。
当時、地場デベロッパーの奢り昂りを示す話がある。某デベの社長は、乗っていたフェラーリを中洲のお姉ちゃんにプレゼントしたそうである。そんな企業は地場でも中央でも既に整理淘汰されているというのは言うのでもない。

分譲マンション市場は、不況のさなかであるが、需給バランスの観点から、年央から年末にかけて少しは回復してくると見る。それに対して新規開発を可能にするのは、地場金融機関の融資姿勢にかかっていよう。
福岡銀行・西日本シティ銀行・山口銀行・佐賀銀行

 

[ 2010年2月 5日 ]
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