アイコン 諸悪の権化、金融派生商品

国際決済銀行は4月19日、1998年の統計開始から初めて08年12月取引残が下落したと発表した。店頭金融派生商品取引残高は、統計月の08年6月より08年12月は13.4%減少して592兆ドル。

特に企業の破綻リスクを売買するCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)は、26.9%減少して41兆9,000億ドル、アメリカのAIGはCDS取引で破綻に追い込まれた。また商品を対象とした金融派生商品は同66.5%も下落している。 
592兆ドル×95円=5万6,240兆円
2007年の世界のGDP ⇒54兆6,360億ドル×95円 =5,190兆4200億円
 実に世界のGDP合計の10倍以上の金融派生商品取引が行われている。
2007年の日本のGDPは、561兆3,562億円であった。

金融商品の中でも一番の仮想金融商品である金融派生商品残高が、世界の国内総生産(きGDP)の10倍以上あるというのは異常であり、実際のところ規制でもかけたら世界の金融システムが、現在のボロボロどころか、機能しない事態に陥る。こうしたことから、アメリカは欧州の規制要請に応えられないのが実態である。アメリカは、今回野放しであった取引の清算をそれでも中央清算機関にすることを義務付けた。こうした取引を行う金融機関はタックスヘブン地に本社を設けていることが殆どで、企業内容も明らかにならないのが実態である。ふくおかフィナンシャルグループはこうしたタックスヘブン地を本社とする会社を4社も持っている。
こういう、実体経済に関係ない金融商品が、実体経済の10倍以上もあるのは、アメリカ博打資本主義は成れの果ての状態ともいえる。
残念ながら、ゆるやかなゆるゆるかな規制しかかけられない。

[ 2009年5月24日 ]
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