アイコン 日本製鋼所は国税の言いなりになるのか

 NHK等の報道によると、鉄鋼製品大手の「日本製鋼所」が国税局の調査を受け、08年3月期までの2年間に約6億円の所得隠しを指摘。出資した会社が債務超過に陥ったと偽り損失金を計上、重加算税を含めた追徴税額は約4億5200万円。同社は「指摘を真摯(しんし)に受け止めて、すでに修正申告した」(経営企画室)と話している。

 

 ※当の㈱西胆振(にしいぶり)環境(資本金1億円、三井造船と日本製鋼所が50%づつの出資会社)の関係者によると、
処理施設は、西いぶり廃棄物処理広域連合(室蘭市など6市町村で構成)が「PFI推進法」による日本初の施設として三井造船等に発注。管理運営を㈱西胆振環境がPFI事業として運営しているもの。しかし、当初計画の見積もりが甘かったため、当初から毎年2億円以上の赤字が出ているとしている。そのため、不足金は三井造船と日本製鋼所から送り込まれており、同社では雑収入にて経理処理して会社を存続させてきたとのことである。

三井造船や日本製鋼所は、ごみ処理施設という社会的な事業であり、会社を潰すわけにはいかず、逆に処理費用を大幅に値上げすれば地元負担が増えることから、㈱西胆振環境が存続できるよう資金を提供していたのである。

当事業は2000年11月、三井造船と日本製鋼所が共同出資して、北海道室蘭市にごみ処理施設運営会社「㈱西胆振環境」を設立。ごみ処理施設は03年に操業開始、当初から大幅赤字で毎年2億円以上の赤字を計上していると同社関係者は述べている。
ならば、事業継続資金として日本製鋼所は資金を出しており、国税当局は、経理計上の修正を行わせたらよいものを、日本製鋼所が6億円の所得隠しを行い、重加算税を含め追徴税額約4億5,200万円の支払を命じている。
 
  国税当局は、当事業は国家が推進したPFI事業であり、三井造船の見積もりが甘かった点は歪めないが、㈱西胆振環境の事業を継続させるため、社会的責任もあり、事業継続資金の補填を行ったことにより発生した資金を、損金処理したことを所得隠しと認定するのは如何なものかと思われる。
 
㈱西胆振環境の事業継続のため資金は、三井造船と日本製鋼所から振り込まれており、㈱西胆振環境が事業継続のための借入金とした場合には、膨大な債務超過会社になっているのも事実である。

日本製鋼所も国税当局の言いなりになっているようだが、株主に対しての責任も生じる。杜撰な出資をし続けなければ継続できない事業会社を今後とも継続させるべきか問われ、破綻させれば社会的な責任が損なわれる。厄介な問題を国税当局は世に晒したものである。
残念ながら、同社は今後とも黒字の見通しが立たない状況下、赤字が続く以上破綻させられると思われる。

なお、㈱西胆振環境の関係者は、NHKも含め報道機関の殆どが、同社の取材をせず一方的に報道していると非難している。

 

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[ 2009年7月10日 ]
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