アイコン 【解説】原弘産、S子会社をS 子会社に譲渡 なんじゃ?

同社は一応デベロッパー。本家のオランダに風力発電子会社を設立するなど風力発電事業を精力的に推進していたまでは良かった。

しかし開発事業では資金に物言わせ投機用転がし物件を矢継ぎ早に購入、分譲マンションも九州でもあちこちに建設、開発地の購買層のマーケティングもしなかったと見え、結果全部完成在庫の山となった。損切りで一括売却しようも購入する業者さえ現れなかったといわれる。風力発電事業も遠の昔に韓国企業に売却して立直しを図るも既に遅く、今2月には資金力の源であった社債残を85%カットというウルトラCを使い特別償却して、財務バランスだけでも良くなるのかと思われた。


ところが、売却損・評価損で社債償還の85%分の特別利益も一溜まりにもならなかった。それほど同社は分譲マンションと投機用物件に資金を配してしまっていたのであった。驕れる者久しからずの例えどおり、現在は窮地に陥っており、おまけに監視委員会の手も入っている噂もある。
今回同社は子会社の住吉重工業㈱(株式94.8%所有)の株を住吉重工業自体に無償譲渡することを明らかにした。同社は下関市に本社を有する環境関連機器の製造・販売会社であるが、08/12期2億22百万円の債務超過に陥っている。また同社に対して原弘産は貸付金と債務保証があるとしているが、それらの金額についての発表はなされていない。単に同社は足で惑いで原弘産が突き放した感がある。

★原弘産に見る銀行の融資付けの実態と撤退及び社債乱用の顛末
連結・百万円
棚卸資産
借入金
社債残
借入+社債
自己資本
06/2
14,209
12,613
730
13,343
9,639
 
 
+23,620
 
 
 
07/2
18,766
36,233
6,690
42,923
14,768
 
 
-6,158
 
 
 
08/2
33,657
30,075
11,650
41,725
14,676
 
 
-6,305
 
 
 
09/2
33,340
23,770
11,650
35,420
4,602
 
 
-5,582
 
 
 
09/5月四半期
18,050
18,188
5,685
23,873
-742

ここ2年間同社は苦しい展開をしてきているが、これまでに180億45百万円を銀行に返済してきている。社債のカット償還でさえ金融機関に利用され、09/5月第一四半期も79億79百万円(主に評価損)の特損を計上して債務超過に陥っている。今後銀行は評価損計上した物件につき、安価に売却させ、回収することを狙ったものでしかない。
ここまできたら、産業再生法に基づき債務免除させたほうが楽になるのでは。

 

 

★原弘産に見る借入金融機関の逃げの早さランク
借入先
07/2期
09/2期
差引
金額逃ランク
住友信託
11,850
 
-11,850
山口
7,182
4,249
-2,933
みずほ
2,245
3,238
993
 
メリルリンチF
2,000
 
-2,000
福岡
1,992
 
-1,992
三井住友
1,664
2,523
859
 
三菱東京UFJ
1,639
 
-1,639
大分
1,525
 
-1,525
広島
1,220
1,000
-220
りそな
995
686
-309
関西アーバン
 
1,870
1,870
 
オリックス
 
1,054
1,054
 
山口県信連
 
500
500
 
その他
3,921
3,068
-853
 
合 計
36,233
18,188
-18,045
 
 
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[ 2009年7月22日 ]
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