アイコン 米、VISIO社等のD-TV輸入停止、船井勝利

2009年4月10日に米国際貿易委員会(ITC)は、日本の船井電機が米国で持つデジタルテレビ関連の特許の侵害を受けたとして提訴していた件で、米VISIO社など11社の特許侵害製品を輸入・販売禁止とする命令を下し、VISIO社の主力製品であるデジタル・テレビも対象となった。

ただし関税法337条は最長60日間の米大統領による確認期間を設けており、VISIO社ではこの間も輸入を継続しあらゆる法的手段を取るとしていた。しかし、29日米国国際貿易委員会(ITC)及び米国連邦巡回控訴裁判所の双方が、ITC の輸入差止命令の執行停止を求めたVizio, Inc.(VIZIO社)等の申立てを却下した。

 VIZIO社は完全なファブレス企業であり、液晶テレビの企画と設計だけを行っている。Vizio社の製品は単に安価なだけでなく品質も高いと市場では評価されている。
 VIZIO社の株主でもある台湾のHon Hai Precision Industry Co., Ltd(鴻海精密工業)と台湾のAmtran Technology Co., Ltd.(瑞軒科技)が購買、製造、物流に協力しており、生産はAmtran社に委託している。Amtran社とHon Hai社は日本メーカーや米HP社から液晶パネルを大量に購入している。
アメリカでの販売は、コストコなどWholesale Clubと呼ばれる倉庫型会員制店舗において販売していたが、最近ではウォルマートでも販売している。
アメリカ市場でのシェアーは、液晶テレビメーカーとして販売台数シェア2位である(2007年7-9月期)。2007年第2四半期の北米市場での液晶テレビとPDPテレビの合計出荷シェアでは11.9%で、Samsung社を抜いて1位になった。売上高が2007年には20億米ドルに届くほどであるのに社員数は90人しかいない。VIZIO社の製品は日本メーカーなどが付加価値として製品に付けるネットワーク機能やHDD内蔵などは行なわず、画像処理半導体も自社開発は行なわない。
※同分野の北米輸出で成長を遂げてきた船井電機は、VIZIO社という強敵が現れ、苦戦を強いられていた。しかし、特許権の侵害を武器にITCに提訴して勝利したものである。今後、特許料の問題でケリを付けるのか、あくまでVIZIO社製D-TVのアメリカ輸出を禁止させるのか今のところ判明しない。
※VIZIO社製品は欧州でも販売されており、アメリカ当局の判断を受け、欧州でも船井が提訴するか今のところ不明。
※当審判での勝利による船井電機のメリットは大であるが、30日の株価は下がっている。

 

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[ 2009年7月31日 ]
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