【倒産】谷村建設(三重県津市)自己破産へ、負債総額約30億円
百万円 | 売上高 | 利益 |
07/3期 | 4,477 | 3 |
08/3期 | 4,040 | 1 |
09/3期 | 3,457 | -6 |
谷村建設は9月6日事業停止、自己破産すべく事後を室木徹亮弁護士(津市丸之内養正町4-1、室木・飯田法律事務所、電話059-229-6660)他に一任している。負債総額は、約30億円。
破綻理由は、リーマンショック後、世界的な景気後退の影響から、マンションをはじめ全体的な建築の受注が減少したことにより、業況悪化に歯止めがかからず、資金繰りが悪化して今回の措置となったとしている。
なお、同社から逃げ出した第3銀行は、6億60百万円焦げ付いたものの、殆ど保全して20百万円だけが不良債権化したと発表している。これ以上貸し剥がしできるものがなかったのであろう。
同社の経営責任は、明治30年頃から鉄骨工事業としての歴史を持ち、最近になってゼネコンの動きをしているものの、あまりに少ない内部留保金(=自己資本)、資金的な裏付けが無い状態は遺憾ともし難い。こうした会社は売上高が上昇しているときはかろうじて永らえるが、売上高が減少しだしたら、大きな支払が後追いで追っかけてくることから、破綻する確立は極めて高くなる。
今回同社に焦げ付いた会社は、取引以前に同社の懐具合を銀行並みに真査すべきである。
超要約貸借対照表(08/3期)
科目 | 金額 | 科目 | 金額 |
流動資産 | 2,662,360 | 流動負債 | 2,625,159 |
固定負債 | 25,091 | ||
固定資産 | 30,422 | 自己資本 | 42,532 |
総資産 | 2,692,782 | 負債+自己資本 | 2,692,782 |
自己資本比率1.57%・・・08/3期でも破綻寸前の会社
支払利息12,998千円→金利3.0%として3億8,964千円の借入に相当する。第3銀行だけでも6.6億円の融資残があり、粉飾していたと思われる。
また流動資産の中には多くの不良資産を内包していたと思われ、実質大きな債務超過状態であったと想定できる。
企業調査会社へ調査依頼するときは、過去の焦げ付きなど経理処理済みかどうかも指定して調査依頼すべきである。