アイコン 穴吹工務店のスポンサーを探る①/現状

11月24日役員のクーデターにより会社更生法を申請して破綻した穴吹工務店。全国の協力業者に多大なる被害を出す会社更生法という再建手段をとってしまった現経営陣。今後どうなっていくか検討した。

同社の場合、建築を自らしており資金が底を付かない限り建築は実行されていく、当然建築中の物件でも建築したての物件は、資金とのバランスを取りながら再開されよう、まだ着工していない物件は凍結される可能性が高く、関東以北の物件は開発せず売却される可能性が高い。

①完成在庫が11月分も入れて809戸未満。(10月段階)
②09年12月~00年3月までに完成する分は1,369戸。
内契約済841戸(当該総戸数1369戸中販売中528戸)
③10年4月~9月までに完成予定分722戸
④10年10月以降完成予定分639戸

現在、穴吹工務店にどれほどの当座性の金融資産があるのか不明であるが、①11月段階でMAX809戸の完成在庫があり、また②12月~3月にかけて1,369戸完成してくる。
これらを販売していけば、①完成在庫分を平均2,000万円で販売処理すれば161億円入金。
②の分の平均価格2,500万円(少し減価)で販売すれば342億円の入金がある計算になる。

同社は、来年3月までにMAX①+②の500億円あまりが入金する計算になる。価格を下げての試算であり、販売達成率80%としても400億円が入金することになる。

①についての新たなる原価はなく、②については2月までの竣工計画で建設されており、建築代金の最高約25%が今後下請けの協力会社に支払われる計算となる。
1戸当たり建築原価MAX1,400万円として、1,400万×25%×1,369戸=47億円の支払で完成させることができる。当該土地については銀行の保全率から見て、担保設定は僅かと思われる。

その結果2月までに完成及び完成予定物件を80%販売すれば、300~350億円の資金が同社に留保されることになる。当然当資金から販売管理費等を差し引く必要はある。(破綻させるには絶好の機会であったのかもしれない)

同社のこれまでの最大の問題点は、借入過多による銀行借入金の返済であったため、今回の措置で全部支払い凍結するとともに、一般債権化した膨大な借入金は殆ど支払わずに済み(但し、開発土地取得のため担保設定されている分は、外す資金が要る)、マンションを販売すれば資金繰りには全く問題ないどころか、潤沢な資金繰りの会社に変貌する。

当社の問題は、今後の展開をどうするのかという一点に絞られる。

グループでは、財務バランスが取れている会社は売却されよう。懸案のハートレイは一緒に更正法をかけたことから財務バランスや償還問題が解消され問題はなくなっており、いずれ切り売りされることになろう。こうした売却代金も同社に転がり込むことになる。
㈱エイシーグループは、完全子会社であり、持株会社のようなもので本体に吸収されよう。穴吹ミサワホームは優良会社であり、かなりの金額がミサワから支払われると思われる。
穴吹工務店は、計画的に会社を消滅させるとしたら、かなりの高配当が望めようが、同社は今後、開発資金を自己資金で賄わなければならず、自ずと限界が生じる。
そこで問題となるのが、コスモスイニシアも頭を痛めているスポンサーである。

[ 2009年12月 7日 ]
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