アイコン 【解説】ディックスクロキ 7月末の追加配当の異議申立は「・・銀行」

2008年11月14日、負債総額約181億円で福岡地裁に民事再生法の適用申請、2009年10月16日に再生計画認可決定確定を受けた(株)ディックスクロキ(福岡市中央区高砂2-11-11、代表板倉雅明氏ほか)。

 同社は、2009年9月15日債権者集会を開催、同社は同社の賃貸マンション管理事業を、同社の役員が新たに設立した「DIX」に2億40百万円で売却(実際に購入したのはファンドのドーガン=DIXのスポンサー)、売却代金等を配当原資として、現状での配当率4%という再生計画案が可決された。福岡地裁の認可決定を受け、再生計画に基づき2009年11月末4%の本支払が行われた。

その後、同社では残余財産の換価・回収により約0.7%の追加弁済を予定していた。
ところが、その後、欠損金による戻し法人税還付金約3億38百万円や(DKホールディングスの)出資金等の回収金約28百万円、2009年度消費税還付金39百万円などにより4億5百万円以上の追加配当原資が捻出でき、追加弁済率が5.195%と大幅に上昇。
7月30日に追加弁済を行うことを、債権者に対し通知した。当然、追加弁済については、裁判所の許可も得てからのことであった。
しかしながら債権者に対して、債権者が待ちに待った同社からの7月30日の追加配当金の振込みはなかった。
<当方に問い合わせが多数あり調査に入った>
同社は債権者へ、一部の債権者から追加配当に対してクレームが来ており、追加配当の支払いを延期する旨、通知がなされている。(問い合わせてきた企業所持)
 
しかし、延期の通知書には、クレームの内容については一切触れられておらず、色々な噂が飛び交っている。
どうせ、クレームをつけるのは大口債権者と思われ、ここに再掲する。

債権者名
債権額/千円
福岡銀行 
4,235,750
三井住友銀行
2,727,260
(株)ピーエス三菱 
2,438,184
みずほ銀行
1,522,000
西日本シティ銀行
1,393,400
肥後銀行
1,248,340
宮崎銀行  
1,235,000
りそな銀行 
1,215,000
宮崎太陽銀行
400,000
三菱東京UFJ銀行
200,000
南日本銀行
130,000
1億円以上
      

 
     申請書に基づく一般債権の1億円以上の大口債権者は、ピーエス三菱しかいない。
ピーエス三菱に問い合わせしたところ、「当社から異議申し立てしたということは聞いていない」との回答であった。
 
② 配当に対して、文句を付けたのは、担保を取っていた別除債権者の可能性 ?
     金融機関は担保を取っていたとしても、2番・3番・4番根抵当権で、(不動産価格も
急落しており)殆ど回収できなかった金融機関もあったと思われる。一般債権者に10%近い配当がなされるのに比し、金融機関の債権は、殆ど別除債権扱いされ、殆ど回収されなかったかもしれない。そうすれば、回収できたものは別として、未回収額を一般債権化するよう要請している可能性が非常に高い。そうすれば追加配当率は変わってしまう。
別除債権総額:138億88百万円
まだ、担保物件が競売や任意により処分されていない担保物件の案件もあると思われる。そうした債権資産は、不動産鑑定士の評価額で、処理することも考えられる。当異議申立が裁判所で正式に受理された場合、配当率は別除債権の債権が、かなりの部分で一般債権化することが予想され、配当率は大きく下がることになる。
また、配当の月日に付いてもかなり遅れるものと思われる。
 
今時、債権の5%でも振り込まれたら、一般債権者は大変助かると思われるが、雨の日には傘を貸さない銀行である。
 
 
ますます金融機関から追加配当金の支払に対しての異議申し立てが、濃厚となるが、ディックスクロキに問い合わせしたところ、「ピーエス三菱さんへは、(SPC案件であり)すべて支払は終わっており、ピーエスさんではありません」との回答であった。
どこがクレームを付けたのか・・・裁判所の第4部に追加配当の異議申立書があるという回答のみであった・・・・。裁判所は内容を開示してくれるかは別である。
 
銀行の頭取の性格からは福岡銀行、銀行の体質からは三井住友銀行が濃厚かと思われる・・・・。
具体的に、どこの金融機関が異議申し立てを行ったのか、今のところ不明のままである。
 
 
なお、DIXのスポンサー兼株主のドーガンは、プロパンガス屋の明治産業に株を2億80百万円で譲渡、40百万円儲けて売り抜けている。
[ 2010年8月 9日 ]
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