アイコン 地元ファンド「ドーガン」、破綻した宮崎のアイ・シー・カード㈱を買収へ

本年3月18日負債額約31億円で民事再生法の適応申請して破綻したアイ・シー・カード(株)(宮崎市千草町4-17、代表:日高彰良)を、福岡のファンドであるドーガン・インベストメンツが買収予定であることが明らかになった。
アイ社は、グレーゾーン問題から上限金利の引き下げや過払金返還請求問題によりファイナンス業務が低調に推移、過払金返還請求の増加もあり07年6月期から3期連続赤字計上、本年3月に行き詰った。
債権者の殆どは金融機関であり、宮崎太陽銀行の7億77百万円を筆頭に商工中金5億79百万円、JA宮崎4億円、宮崎銀行3億45百万円のほか宮崎各地の信金が債権者として名を連ねている。これらの金融機関は3月決算で既に焦付額の殆どを引当金計上しており、今回の再建案に対し既に内諾を与えている。

アイ社の事業は、消費者向けのカード発行による(物品購入などの)信販業務のほか、カード会員を対象にキャッシング業務を行っている。カード会員は約2万3000人、事業者向けの貸付業務は行っていない。
 金融機関の債権額の合計は26億31百万円、信販債権や貸付債権に対して債権譲渡契約を締結している金融機関もあるが、それらの金融機関も今回の再建案に対して内諾している。
再建案は、アイ社の事業をドーガン・インベストメンツが新たに設立する子会社に対して事業譲渡するというもの。事業譲渡の前提となるアイ社の債権者への配当は、事業譲渡代金等により、100万円未満は全額、100万円以上は16%~20%の支払見込みとなっている。
当再生計画案は、8月16日裁判所に提出されている。

なお、9月24日に債権者説明会が開催される予定となっている。当集会では上記再建案で決着見込みであり、事業譲渡は来年3月までに実行される予定。

アイ社の最終配当が20%未満とすれば、過去の赤字でアイ社の財務内容が毀損しているにしても、アイ社は信販業務やキャッシングの債権を充分有しており、事業譲渡による事業継続は充分過ぎるほど可能とみる。

宮崎には宮崎銀行系列の宮崎信販があるが、アイ社は宮崎銀行に対抗意識を燃やし過ぎの宮崎太陽銀行が支援して痛い目にあった。

ドーガンは、宮崎に縁のある(破綻した)ディックス・クロキの最終処理にも、同じスキムで登場していた。

 

[ 2010年8月17日 ]
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