アイコン (株)林原・(株)林原生物化学研究所など/ADR申請 負債1,400億円

優良企業と思われていた(株)林原(岡山市北区下石井1-2-3、代表:林原健)は1月25日、事業再生実務家協会に事業再生ADR手続を申請して受理された。
 ほかに関連の(株)林原商事、太陽殖産(株)も一緒に申請して受理されている。
負債額は4社合計で約1400億円が見込まれている。

同社は明治16年創業で、開発型の企業として知られ、酵素を利用した機能性糖質を主力とする食品原料メーカーであった。
 林原生物化学研究所を中心に開発が行われ、インターフェロン・人工甘味料・バイオ製品等での実績は高く評価されていた。主力製品の一つのトレハロースは、食品や錠剤などを包む材料として使用されてきた。機能性糖質の研究を進め、菓子・製パン・化粧品業界から医薬品、健康食品等幅広い分野に需要を広げ、これまで優良企業と目されてきた。
しかし、バブル期の不動産投資の失敗や研究開発に多額の投資を続け、また09年にはトレハロースの新工場建設を行うなどしたものの、トレハロースの全盛時代は既に終わっており、工場は軌道に乗らず、借入負担に耐えられず、今回の事態に至ったものである。
なお、ADRでは、通常、金融機関の債務免除や返済猶予が再建のため主な目的となっており、一般債権者への支払は通常どおり行われる。しかし、金融機関の足並みが揃わなければ、一般債権者へ迷惑がかかる破綻も考えられる。早急にADRの結果が求められる。

 

[ 2011年1月26日 ]
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