アイコン 「六本木の巫女」こと「原千春」シャネラー逮捕 夢大陸 福岡コミュニティ放送

架空の投資話で多額の金を集めたとして福岡県警は1月15日、 投資コンサルタント会社「夢大陸」の社長の原千春容疑者(55)ら4人を詐欺容疑で逮捕した。 県警は全国の数百人から数十億円あまり(約67億円)を集めたとみて全容解明を急ぐ。
容疑者らは「日本円の価値が下がり経済危機が来る」などと不安をあおって投資を勧誘、 架空の国債や外国債の購入を持ちかけて投資金を預かったが、実際には金を運用せずに詐取した疑いがもたれている。 

<詐欺の原点はFM放送局>
原千春(彼女)は、百道のFMミミ(麻生太郎元首相のお膝元の麻生グループが建設したAIビル内)を、2005年10月譲り受けたことにすべてが起因しているようである。
それまで、彼女はホームページの作成業を行っていた㈱夢大陸の代表を務めていた。その会社は、経営上は鳴かず飛ばずの会社であったが、シャネラーと自称するほど高級服に身を包み、いろいろな会合に出席して人脈を拡げていたため名前だけは通っていた。FMミミの譲渡話が舞い込み、FMミミをタダ同然(933円=1株1円)で譲り受けたのであった。

FMミミは、福岡市で天神FMに次ぐ2局目のコミュニティFM放送局(百道地区)として開局。学生向けの福利厚生を運営する㈱玄南荘の代表渕上氏が「地域に根差した市民本位の放送局を目指す」として2000年3月開局された。しかし、設立時の経営環境は、金融機関の不良債権処理の進行で景気が悪化、広告収入を上げられなかったことから開局当初から苦しい経営状態が続いた。
2005年期には累積赤字が8,000万円までに拡大。㈱玄南荘に融資する金融機関の意向もあり、渕上氏は自力での放送継続を断念して、彼女に殆ど無償譲渡したものであった。資本金は6,000万円であったが、渕上氏は8000万円の累積赤字を消し込めるように2,480万円増資して、彼女に引き渡している。彼女がFMミミに当初投下した資金は、放送の設備機器更新代として1200万円程度である。

譲渡を受けた派手で見栄っ張りの彼女は、FMミミの旧役員を一掃、2006年3月3日から、女性をターゲットとしたStyleFMとして再出発させ、番組に自ら登場するなど原カラーに完全に変えていった。

しかし、福岡市では青年実業家で若手経営者のリーダー格(当時)であった渕上氏でさえ、同放送局の経営では不振に陥っていたことから、FM局が彼女の経営に変わり番組の派手さも加わり、経営が改善するどころか現実は赤字経営を余儀なくされていた。
彼女は下関の資産家の娘(自称)であると述べており、幾ばくかの資金は持っていたようであるが、不景気であり、福岡市の地元出身ではないこともあり、広告が思い通り集まらなかったこともあるようだ。

そこで経営不振のFM局を見栄から持続及びシャネラーとしての自分を持続させるため、世の中でファンドが流行っていたこともあり、投資コンサルタント業務を会社業務に取り入れた(会社謄本に記載)。

彼女が「六本木の巫女」を名乗るのも、「夢神社」のホームページを作るのも、『神代の女神』出版記念講演会を開催するのも、超大物のミスター円こと榊原氏の講演会を開催するのも、アヴァンティスペシャル講演会を開催するのも、(一応)評論家の副島氏と対談するのも、船井幸雄氏と関係するのも、「THE EARTH」という冊子を毎月発行するのもFM局を譲り受けたあとからであった。

彼女は、経営しているFM局が経営不振の中、投資話で集めた資金により、FM局を続け、神社研究家、ライフプランナー、心理カウンセラー、カラーアナリスト、投資コンサル=(自称)金融スペャリストとしての顔を作り上げ、ファン作りに没頭、自らをシンボライズもさせ、資金集めしていたのであった。

<現実の勧誘>
今回の事件となる無許可による資金集めは、経済に疎い金持客を対象に新円切り替え・日本国内の預金封鎖とデノミで日本円は暴落・資産税の没収などとまことしやかに説明、シンガポールのHSBC(英系の香港上海銀行、世界最大の投資銀行)は「国税が入れない理由がある」と口座開設を勧めていた。
また、「口座が完全に開設するまで2週間ぐらいかかるので、その間も商品を買ってシンガポールに送金する準備をした方がいい」と商品の購入を勧めていたのであった。
商品とは為替の債権で、たとえばドル90円時に5万ドルを400万円で購入する(1ドル80円相当)→約1ヵ月半後に6万5千ドル(598万円)になって償還されるなどとデタラメな勧誘話がまかり通っていた。営業者は「すでに向うでは利益が出ていますので儲けは出ます。もし日本が有事の際は元本は保証されます。保険がかかっていますから」などと薦めていたとされている。
客は償還期になり、償還の連絡をすると担当者は『原に伝えますから』と返事して、その後連絡もないという状況が続き、裁判に訴え出ている被害者は何人もいる。
 
こうした勧誘をバックアップしたのが、(利用された)榊原氏や副島氏などによる講演会およびFM局であった。FMでは「六本木の巫女」である彼女自ら円危機を煽り、投資話の援護射撃を行っていた。

<家宅捜査>
ところが、2010年4月には、福岡県警が、金融商品取引法違反(無登録)容疑で、同社や原の自宅などを強制捜索。押収した資料などから、資金を詐取した疑いがもたれていた。 
それでも逮捕されるに至るには8ヶ月あまりを要していることから、集めた資金は既に雲散霧消しているものと思われる。当然、幾ばくかの資金は、海外へ資金を逃避させたか、好きな宝飾品に変えたかはありうる話である。
 集めた総資金は67億円ともいわれ、プレイベートでは、福岡では高級マンション・東京では六本木ヒルズに住んでおり、東京と福岡を行ったり着たり、海外へも豪華バカンスを楽しんでいたようである。集められた資金の一部はそうしたことに費消されただろうが、またシャネルのバッグや服にも化けたであろうが、多くの資金が何に使用されたのかは謎の謎となっている。こうした事件で逮捕されたとしても資金使途が解明されるのは、稀の稀が現実である。
 
 彼女が投資コンサル業として、2008年当時、精力的に金融講演会を開催していたのは福岡県と熊本県、その後、全国へ広げたようだ。熊本県は、天下一家の会(大観宮建立)から始まり丸美事件まで多くの県民が被害に遭い、また夢大陸でも被害にあったようである。
 
彼女は男にツキがなかった。その鬱積が性格を歪め、過度にブランドに依存したり、見栄に走ったりして、それを維持するためこうした資金を集めたようだ。
 

[ 2011年1月16日 ]
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