アイコン 目標の60%増達成 博多阪急等「博多シティ」の半年間JR九州 百貨店統計付

JR博多駅の駅ビル「博多シティ」は、3月オープンしてから半年、来客数は3,080万人と、当初の目標(1,850万人)を60%上回っていると発表した。
1日あたりの来客数も、当初目標の平均10万人を大きく上回り、平均16万6,000人を達成している。

<売上高>
 「博多シティ」は、九州新幹線の全線開業効果もあって、売上目標を、アミュプラザ博多が20%、博多阪急が8%上回るなど、中核となるテナントの売り上げが好調なことが理由だと分析している。
また、「テナントどうしの合同企画を増やすとともに、周辺の街づくり団体やキャナルシティ博多とも連携を強めて、売り上げ増と固定客の確保を図りたい」としている。

一方、天神地区の主な大型商業施設の売り上げは、ことし3月から7月の間で、去年と比べて、岩田屋三越が▲7%、博多大丸が▲8%、それぞれ減少していて、博多シティの影響を受けて、苦戦が続いている。

博多の人は、新し物好きが異常、昔から東京の流行のファッションをダイレクトに取り入れてしまうほど。逆に言えば、飽き安いともいえ没個性。そのため、流通業界も混乱しようが、若者向けに発信し続ければ、それなりに人気は持続する。

天神地区では、天神コアやパルコなど、テナントの各店舗が強く、買い物のイメージできる商業施設は別として、天神の岩田屋・三越・大丸の百貨店ブランドは、既に意味をなさなくなってきている。岩田屋の買物袋が中流の証とされていたのは40年以上前の話である。以前はマスコミが長い間取り上げたデパ地下ブームもあったが、その後は、マスコミの援護射撃もなく、「博多シティ」開業で、一番影響を受けている。

テナント商業施設ビルでは、各店舗が力量を持てば、各店舗で集客でき、その相乗効果により結果的に大勢の客を集めることができる。今では、マスではなく、ダイレクトな客を集客した集合体の商業施設ビルが人気施設となっている。当然、各店舗間では競争の原理が働き、その努力が人気の持続を演出。「博多シティ」の「アミュプラザ」が計画より20%増の売上高を計上しているのはその現れであろう。

また、「博多シティ」が、これほどまでに人気が持続しているのは、九州新幹線効果だけではなく、市内の地下鉄が博多シティに直行している点も大きい。天神地区の商業施設は、地下鉄で降りても、天神地下街経由でいろいろな商業施設に行くにも相当距離がある。一番距離があるのが▲8%ダウンしている大丸である。

市内の女性にとって、天神地下街でウィンドウショッピングしながら、大丸まで行くには、それほどの魅力がない限り向かわなくなっている。地下街も含めてありふれた光景に透過してしまっているからであろう。

それに比べ「博多シティ」は、地下鉄駅に直接接続しており、まだ各店舗新鮮味もあることから、多くの客が向かっている。こうした消費行動は、買い物パワーのおばさんたちも同じ傾向にある。

福岡市は消費者の動態調査をそろそろすべきか。地下鉄の利用状況だけを調べて見ても一目瞭然となっていることだろう。

も一つ、JR九州の九州新幹線開通及び「博多シティ」開業を大ヒットさせた広告宣伝部隊の力が、その後も活かされている。施設全体をリードするのは、やはり企画力であり、宣伝力・打ち出し力となる。天神地区はどうしても、個々の商業施設ビル毎にしか行うことができず、全体ではバラバラとなっている。

福岡では、9月16日に天神コアのリニューアルオープン、30日にはH&Mなど入居するファストファッションタウン第2キャナル(=キャナル イーストビル)が30日にいよいよグランドオープンする。

福岡県人口500万人(福岡都市圏人口230万人)と山口・広島・九州全体(1,300万人)の消費者争奪戦である福岡の流通業界の1年後が、どうなっているかの判断は、今の段階ではまだ難しい。 

 
<博多阪急『博多シティ』のインパクト>
2011年福岡県の百貨店売上高 月別推移
 /百万円
2011年1月
2
3
4
5
6
7
売上高
24,618
19,492
25,306
23,170
23,441
22,037
30,523
前年同月比
-3.1
-1.2
9.2
13.6
6.5
8.8
8.9
  同既存店
-3.1
-1.2
-10.2
-3.6
-9.0
-5.2
-3.8
博多阪急:3月オープン、出典:九州経済産業局資料参照
2010年7月:売上高28,010百万円、前年同月比2.8、既存店1.6 
 
 
[ 2011年9月 6日 ]
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