アイコン 諫早干拓事業 長崎県100条委委員会設置の説明

有明海に埋め立てられた諫早干拓地(3,542ha、調整池2,600ha含)、今では開門すべきかどうかで問題なっている干拓地である。
諫早干拓地の完工式は、2007年11月20日農水省政務官であった長崎県選出の谷川衆議院議員を招き記念式典が開催された。
当干拓地を管理する長崎県農業振興公社は、翌年の2008年4月から埋立地の672ヘクタールを営農者に貸し出しする予定で、2007年7月から応募を計った。
応募者は62件あり、学識経験者などの選考委員により42件が決定した。

しかし、決定した中に地元大物政治家の長男と長女が経営する会社が見事合格、32ヘクタールを借り受けることが(2008年)3月に判明し問題となった。

その会社とは、大村市に本社を有する(株)T・G・Fという会社、営農地の使用目的は各種野菜を作るとしている。
その息子氏と娘氏が結婚して作った会社が、借り受けることに付き、大問題となったことから、夫婦はT・G・F社の役員を辞任して、形上は決着させた。 

しかし、その入植合格判定についての嫌疑を明らかにするため、このたび、長崎県議会において百条委委員会が設置されたものである。
今では全国の県議会でも百条委員会を設置するなど殆どなく、しかも国会議員2名の子供の会社についての嫌疑であり、問題の奥は深刻である。

大物政治家とは、長崎3区選出の谷川弥一衆議院議員(当時農水相政務官)であり、かたや現国会議員で(当時)長崎県知事(現)金子原二郎参議院議員である。

問題の会社は、谷川議員の息子と金子知事の娘が結婚、夫婦となり作った(株)T・G・F(長崎県大村市富の原2丁目492)社、代表取締役に谷川政務官(衆議)の長男、取締役に金子知事の長女が就任していた。
T・G・F社の32ヘクタールの営農地は、干拓地の中でも干拓条件が非常に良いと地元でいわれている小江干拓地(湾北側の河口、小江干拓の1/3に当たる)に決定。

当時、こうした問題が大問題となったことから、谷川農務政務官(衆議院議員)は、報道機関の取材に対して「耕作放棄地での農業を復興させるため、息子の会社で、実験農業を行ってきた。干拓地への入植はその一つで、何が問題だというのか。国会議員や知事の親族であることが問題なら、息子夫婦が離婚し、私が議員を辞職すれば良いのか」と述べたと報道されている。
なお、問題のT・G・F社が設立されたのは、実験農場をやっていたというにはあまりにもお粗末な07年1月に設立されたばかりであった。

なお、今では、当問題は終わったと捉えられていたが、その後、谷川関係者が代表に就任しており、完全に関係がなくなったかどうか、また、株式が第3者に売却されたかどうかは全く不明である。

 諫早湾干拓事業は2,533億円という巨萬の税金が投入され、干拓地のうち672ヘクタールが農地として開発されたが、当該地はその約5%に当たる。

当時、農水省政務官の谷川氏、県知事であった金子氏の子供たちに対する溺愛レースであった疑いがもたれているものである。

長崎県では、そうした一族会社に対しての倫理規定は何もなく、事業主体の国交省も責任逃れ?で、長崎県にすべて委託した干拓事業となっていた。

当干拓地の賃料は、10アール当たり1万5,000円(5年後から2万円、過去の例からして何れ安く売却される)。
1アールは100平方メートル、1反は約10アール、1ヘクタールは100アール、1ヘクタールは約1町、1ヘクタールは100K平方メートル

金子原二郎現参議は、(故)金子源三農水相の息子、本人も父親の地盤を引き継ぎ、衆議院議員を5期務めた。その後、長崎県知事鞍替えして県知事(平成10年2月~22年3月・・・3期)となり、4期目は自民党による推薦が困難なことから、先の参議選で再度国会議員となった。親の代から農水関係に強い強い人脈を有している。実兄は水産業界では知らぬ者はいないといわれる金子漁業グループの実質オーナーである。

一方、谷川弥一衆議院議員は、(株)谷川建設(平成22年10月期売上高:145億53百万円、粗利益率19.3%)の元社長、現在は息子の喜一氏が代表を務めている。この喜一氏がグループの表見総帥を務めており、T・G・F社の営農地入植申請時の代表であった。

先の県議会議員選挙の結果、金子-谷川派が完全制覇を狙い、自民党を分裂させ自民党会派を新たに作った。公明党も巻き込み、議会を一瞬牛耳るかにみえたが、県議会の自民党本流が金子(元)県知事嫌いな保守県議層や民主党などと連立して阻止、そうした長崎政治の大変革が、金子県知事当時の問題を見直しているものとされる。息のかかった地場ゼネコンの過去の落札振りや海砂不法採取問題など問題は山積しているようだ。
 

[ 2011年9月12日 ]
モバイル
モバイル向けURL http://n-seikei.jp/mobile/
スポンサードリンク

※Google・Yahoo japan!・Twitter・ライブドア・はてな・OpenID でログインできます。

コメントする

関連記事

  • この記事を見た人は以下も見ています
  •  
  • 同じカテゴリーの記事です。
  •   
Google サイト内検索