スルガ銀行は、完全子会社にする目的を、同行はカードローン事業をコア事業の一つとして取り組んでおり、丸和商事の事業エリアや同事業でのノウハウの相互補完、ＡＴＭの共同利用など、様々なシナジー効果が生まれ、より充実したカードローン事業を展開できるためとしている。

　丸和商事は、不当利得返還請求及びグレーゾーン決着により経営状態がジリ貧になり、平成２１年３月期には総資産４２４億円、平成２２年期には同３５８億円、破綻する平成２３年期には７０億円まで減少していた。
元々丸和商事の融資上のスポンサーはスルガ銀行であり、今回の破綻及び完全子会社化は、不当利得返還請求をシャットアウトさせるためにスルガ銀行主導で行われたものと見られる。また、ここ数期の総資産の急減少は、丸和商事の融資債権をスルガ銀行が貸付金と相殺することで買い取り減少していたものとも考えられる。
いずれにしろ、不当利得返還請求逃れの既定路線での完全子会社化であろう。