アイコン 糖尿病に朗報 ザクロのエラグ酸が効果/近大の河村幸雄教授ら

奈良市にある近畿大学農学部の河村幸雄教授らの研究グループが、果物の「ザクロ」に含まれるポリフェノールの1種の「エラグ酸」成分に、糖尿病の原因となるたんぱく質が作られるのを抑制する働きがあることを突き止めた。

糖尿病予防に効果がある栄養補助食品の開発につながるのではないかと期待される。

糖尿病は、ホルモンの「インスリン」が減ったり働きが悪くなったりして血糖値が高い状態が続く病気、肥満により大きくなった脂肪細胞が作り出すたんぱく質が原因の1つとされている。

河村教授ら研究グループは、大きくなった脂肪細胞を培養し、そこにザクロの果汁から抽出した液を入れたところ、作り出される糖尿病の原因物質の量が、条件によっては10分の1程度に抑えられたという。
さらに、原因物質を多く作り出す症状があるマウスに、ザクロの果汁を混ぜた餌を2週間食べさせたところ、原因物質の濃度が下がったという。
研究グループは、ザクロの果汁に含まれるポリフェノールの1種の「エラグ酸」という成分が作用しているものと分析している。

<過去のザクロ健食ブーム>
1998年から2000年にかけてブームになった健康食品ザクロ。今でも発酵品として通販されているが、もともと、ザクロには女性ホルモンと同じ様な働きをするエストロゲンが含まれるというものであった。
女性は40代を過ぎると女性ホルモンの分泌量が低下し、その結果生理不順、めまい、のぼせ、イライラ、食欲不振などが起こるとされるが、その予防、治療に女性ホルモンの服用があった(ホルモン療法)。
しかし、ホルモンの服用は副作用が伴うので、注目されたのが女性ホルモンと同じ様な働きをする天然成分。大豆イソフラボンはその代表的なもので、大豆の摂取量が多い日本人は女性ホルモンの低下に関連する乳ガンの罹患率が少ないとされている。

ザクロブームは、そのような女性の心理につけ込む形で大ヒットした。
ザクロには、天然エストロゲンの女性ホルモン様作用があり、「更年期障害」、「生理不順」、「貧血」、「不妊症」、「ヒステリー」、「白髪防止」などに効くと言ったふれこみで、ザクロを原料にした果汁飲料、濃縮エキス液、エキス錠剤、ザクロワインまで登場した。

しかし、国民生活センターが、通販や市販されているそうした大豆系やザクロ系の健食品を調査した結果、エストロゲンは全く検出されなかったという。

河村幸雄教授らの研究グループのように、科学的な実証データに基づく製品化であったら、ザクロが特定保健用食品として販売される日も近いと思われる。
日本人も肉とパンを食べるようになって太っている人たちが多く、メタボ体質者など糖尿病予備軍とされている。
 

[ 2012年7月12日 ]
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