井笠バスの井笠鉄道(株)/会社清算へ
バス会社の井笠鉄道(株)(岡山県笠岡市笠岡5595-1、代表:関藤篤志)は10月12日、債務整理を森倫洋弁護士(電話03-5562-8500)に一任して、10月31日をもって事業を停止すると発表した。
負債額約32億円。
同社は明治44年7月設立の元鉄道事業者で現在バス運行会社。岡山県西部から広島東部地区などにかけ71路線の定期路線バスを運行させ、貸し切りバスも有していた。
しかし、マイカーに押され、また地域の過疎化も進み、乗車客は減る一方で、少々の廃線などによるリストラなどでは対応できない状況に、経営が追い込まれていた。
そのため、同社は10月31日をもって事業を停止、引継ぎ可能路線だけは他社に運行依頼し、残りの路線は廃線となる見通し。
こうした田舎の地域交通は、関係地方公共団体の援助なくてはバス運行できなくなっている。
<山陽新聞記事>
岡山県西部と福山市で路線バスを運行する井笠鉄道(笠岡市笠岡、関藤篤志社長)は12日、経営不振によって今月末まででバス事業を廃止することを決め、中国運輸局岡山運輸支局に事業廃止届を提出した。同社は自主再建を断念し、会社の清算手続きに入る。
全76路線(高速バス5路線含む)のうち主要路線は11月から来年3月までは道路運送法に基づく臨時措置として、両備グループの中国バス(福山市多治米町)に引き継ぎを要請しており、同社も応じる方向。具体的な継続路線は今後詰めるが、廃止や減便となる路線が出るのは避けられないとみられる。
井原市と浅口市の循環バスは北振バス(岡山県矢掛町)が運行を引き継ぐ。
井笠鉄道の路線バスはピークの1967年度には1575万人の利用があった。しかし、マイカー普及や沿線の過疎化などで2011年度は213万4千人まで低下。売上高は、同年度9億200万円で、国や自治体から2億19百万円の補助を受けたものの、▲42百万円の最終赤字を計上した。負債総額は、同年度末で約32億36百万円。
会見した関藤社長は「地域の公共交通を守りたいとの一心で事業を続けてきたが、これ以上は難しいと判断した。利用者や従業員に迷惑を掛けることになり大変申し訳ない」と話した。嘱託を含む従業員158人の雇用継続も中国バスなどに依頼している。
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