アイコン 第6報: 韓国客船「SEWOL」珍島沖座礁沈没 280人安否不明 経過と問題

「SEWOL」号は2014年4月16日午前8時58分ごろ、仁川から済州島への航路を運航中、朝鮮半島南端黄海側の珍島沖屏風島付近の暗礁に乗り上げ座礁、水深37mの海底に沈没した。
同船には修学旅行生ら乗員乗客合わせて459人が乗船していた。事故発生から沈没までには約2時間20分あった。
17日未明の報道、韓国政府は176人が救助され、280人が安否不明となっていると明らかにした。死者は男子高校生ら計6人。
乗船していた修学旅行生は、安山市の檀園高等学校の生徒324人と教員14人の合計338人だった。
海洋警察や海軍などは、潜水士を投入して救助活動を行っていたが、午後8時ごろ捜索を中断、17日午前1時から船内の捜索を再開した。海洋警察は行方不明者の大部分は船内にいるとみている。

<まだ生きているとメール>
なお、昨晩10時40分ころ、「今ここは船の中、何も見えない。男子数人と女の子が泣いている。まだ私は死んでいない」とのメールが送られてきたとの報道もなされている。
(ただ、そうしたメールが何ヶ所にも送信されてきており、その一つは、その後の警察の調べで、発信者は乗船名簿に掲載されていない人物からだということが判明している。)

問題1、沈没まで2時間20分、船内に止まるようにとの船内放送 船長ら先に脱出
座礁から沈没するまで2時間あるが、救命艇などほとんど使用されていない。
生存の乗組員によると、午前10時10分頃、「沈没が差し迫っているので搭乗客は海に飛び降るように」との船内放送があったという。(同放送がなされたとしても座礁してから1時間以上経過している。)
しかし、救助された多くの人たちが、「船内放送で部屋に止まるよう指示された」と証言している。
その放送の直後、船内の電源が切れ、船内放送をすることができなくなった。そのためか、多くの乗船客が船内に閉じ込められているものと見られている。
 船の下層には、レストランやショップ、娯楽室があり、多くの人たちがいたという。

報道によると、航海士が救助されているが、航海士に対しての取材で「船長や航海士、機関士が先に脱出したと聞いているが本当か」と質問すると、航海士は「そうだ」と答えた。
また、「乗客に案内放送をしたのか」という質問に対しては、航海士は「乗客たちに部屋にいるようにという放送を聞いたかもしれない」と答えた。
さらに、「通常、沈没時は船長や職員が最後に脱出することと聞いているが、なぜ先に出たか」と問われると、航海士は言葉を失った。

問題2、夜5時間捜索活動中断、捜索活動の総指揮官不在か
午後8時頃に作業中断、5時間後の17日午前1時救助活動を再開とある。
海は穏やかであり、月明かりもあり、捜索活動は継続して行える状況にある。しかも、強力なサーチライトを装備している海洋警察艦や海軍の戦艦も捜索活動にあたっている。夜間作業は当然できる状況にある。ただ、午後1時前の一番当初の潜水捜索では、潮流が早く、また視界も悪く続けられなかったという。

中断で考えられることは、潮流が早い時間帯のため2次遭難回避のため、捜索員の疲労困憊?
現場にいる海洋警察と海軍の潜水担当者は160名、深夜の捜索では新規に海難救助隊の専門家20名も投入されるという。 

政府も混乱して、生存者数を大幅に修正したりしていた。
ただ、沈没したとしても船内の各部屋内には空気があり、生存者が多数いる可能性があるにもかかわらず、作業中断とは・・・。水が部屋内に入る1秒一刻を争う中で、5時間捜索活動中止とは日本では考えられないことだ。

問題3、航路は大丈夫だったのか。船長は臨時船長だった
同船は、濃霧のため約2時間遅れて仁川を15日午後9時ごろ出航した。同船は16日午前8時58分頃、朝鮮半島南西の珍島郡屏風島北約20キロ沖で座礁した。座礁した海域には多くの島があり、また暗礁地帯でもあった。同船は遅れており、安易に近道を通った可能性がある。
 本来の船長は休暇で、変わりが船長を務めていたという。濃霧での遅れを取り戻すため、安易に近道と判断とした航路を運航して座礁した可能性もある。

問題4、補償問題
同船の船体保険は1千万ドル(約10億円)と770万ドル(7億7000万円)に加入しているが、人命や重軽傷者、救助された人たちの物品補償などの保険はどうなっているのだろうか。(銭の韓国であり以上の保険内容は即報道されていた)

「SEWOL」号について
1994年6月竣工、6,586総トン、速力21.5ノット、旅客定員804名。
日本の大島海運が1994年、沖縄~鹿児島の航路に「フェリーなみのうえ」として就役させた。
2012年に同航路を退役、同船は、韓国の清海鎮海運へ売却された。清海鎮海運は、「SEWOL」号に名称を変更して、2013年3月15日から仁川~済州島間の定期客船として週2回往復させていた。
 
運航中に座礁すれば、速度も出ており、浸水する可能性は非常に高い。同船はドーンという音と共にも座礁したものの、それを乗り越えた後、浸水し沈没したと報道されている。座礁したにもかかわらず、無理にやり過ごそうとして、船体の鋼板を大きく剥離させ、浸水を拡大、速めさせたとも考えられる。

韓国定期客船「SEWOL」号

 
 

 

[ 2014年4月17日 ]
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