アイコン ワタミ/中間期赤字露呈 居酒屋も介護も宅食も挙って不振

ワタミは11日、来年3月末までに閉鎖する居酒屋「和民」などの店舗数を従来計画に比べて42店多い102店に引き上げると発表した。
居酒屋事業の不振で、人手確保が難しい店舗に加え、不採算店も撤退する。来年3月の店舗数は554店となる見込み。
同日発表した2014年9月中間連結決算の純損益は前年同期の5億円の黒字から▲41億円の赤字に転落した。
15年3月期の通期予想では▲30億円の赤字を見込む。取締役、執行役員は、業績悪化の経営責任を取って報酬の10~31%を半年間カットするという。

<セグメント別>ほぼ全滅
1、 国内外食事業は、7店舗を新規出店。一方で52店舗の撤退を行い、当第2四半期連結会計期間
末における店舗数は600店舗となった。しかし、厳しい事業環境が続き、既存店売上高の前年比は▲7.3%減、既存店客数は前年比▲7.3%減、既存店客単価は前年比0.2%増。
その結果、国内外食事業における売上高は313億07百万円(前年同期比▲9.4%減)、部門営業損失は▲23億54百万円(前年同期は▲2億41百万円の損失)となった。・・・赤字

2、介護事業は、3棟の新規施設を開設し、入居者は6,300名を超えた。 当第2四半期連結会計期間末における施設数は105棟。
しかし、新規入居者様数が想定を下回って推移していること等により、既存施設の入居率は、当第2四半期連結会計期間末で82.7%となっている。
介護事業における売上高は、177億69百万円(前年同期比0.7%増)、部門営業利益は15億51百万円(前年同期比▲28.7%減)となっている。・・・信用をなくすのは早い。

3、宅食事業は、12ヶ所の新規営業拠点を開設し、当第2四半期連結会計期間末の営業拠点数は541ヶ所。しかし、新規の需要の伸び悩みにより、9月の最終週における調理済み商品の平日1日あたり届け数は26万4千食(前年同月最終週は28万6千食、▲7.7%減)となった。
宅食事業における売上高は、201億75百万円(前年同期比▲6.1%減)、部門営業利益は10億17百万円(前年同期比▲42.3%の大幅減)となった。・・・国の政策により可処分所得が年々減少しており、炊事する人たちが増加している。

4、海外外食事業は、9店舗の新規出店を実施し、一方では2店舗の撤退を行い、当第2四半期連結会計期間末の店舗数104店舗。海外外食事業における売上高は72億31百万円(前年同期比13.4%増)、部門営業損失は▲95百万円(前年同期は98百万円の利益)となった。円安で円換算では逆に利益が出るはすだが、人件費等がコスト高になっているのだろうか。

5、その他の事業は、農業の外部販売の拡大、環境事業の再生エネルギー部門の拡大により、売上高は12億18百万円(前年同期比84.9%増)、部門営業損失は▲43百万円(前年同期は▲28百万円の損失)となっている。
以上、
国内ではすべての部門で営業利益を悪化させ、目もあてられん状態になりつつある。

 

連結/百万円
売上高 
営業利益
経常利益
当期利益
14年3月期Q2
80,719
2,477
1,882
550
15年3月期Q2
77,701
-1,039
-1,744
-4,114
15年Q2/14年Q2比
96.3%
 
 
 
15年3月期予想
154,000
1,300
200
-3,000
15期予想/14期比
94.4%
44.1%
 
 
14年3月期
163,155
2,946
2,133
-4,912
13年3月期
157,765
9,259
8,021
3,540
12年3月期
140,197
8,773
7,808
3,418
 
 
1112_02.jpg
 
同業者の台頭
ワタミなどが大きく成長してきたビジネスモデルは、時代の流れにすでに大きく変ってきている。その辺のお兄ちゃんたちが、短期間修行を積み、お店をジャンジャンオープンさせている。彼らは元々地元の人、中には多くの顧客を有している人たちも多い。それも特色を有している。

潜在顧客の減少
一番飲む若い世代が少子化と低賃金の非正規雇用者ばかりが増え、潜在顧客が大幅に減少している。仕事が終わったら自宅でゲームというゲーム世代の台頭も見逃せない。さらに居酒屋でコミュニケーションをはかっていた世代も、実質給与減少が続く世の中で、飲むお金も惜しまれるようになってきている。社員を引き連れ奢っていた中年世代も今や自らの首さえも心配され、見込みのない年金を当てにもできず、高齢になったときの生活も心配となっている。
こうした中で、チェーン店の居酒屋は、時代のニーズから見放されてきている。
オーナーが国会議員でもあり、働く人たちに対して、可処分所得を増加させる政策を声高らかに訴えてもらいたいものだ。
ワタミの社員さんたちで、家族を養い、家族との時間もある程度取れ、居酒屋へも行くゆとりのある人たちが何ボいるのだろうか。
社員に対して「働け働け、自らのために。」・・・・その自らとはオーナーのことである。
[ 2014年11月12日 ]
スポンサード リンク

 

コメントをどうぞ

関連記事

  • この記事を見た人は以下も見ています
  •  
  • 同じカテゴリーの記事です。
  •   


PICK UP

↑トップへ

サイト内検索