アイコン 55棟設置の東洋ゴム工業製免震ゴム大臣認定不適合取り消し 各県別一覧

 

東洋ゴム工業は13日、子会社東洋ゴム化工品(株)で製造している免震ゴム(高減衰ゴム系積層ゴム支承)の一部が、大臣認定の性能基準を満たしていなかったと国交省に届け出た。国交省は13日、申告された問題の品番について、免震ゴムの大臣認定を取り消した。

 東洋ゴムは13日今後、免震ゴムを納入した共同住宅など55物件について、建設会社と設計事務所に安全性能を確認する構造計算を依頼した。安全性に懸念がある建物に関しては免震ゴムの交換などの措置を取るという。
 同社は申請する際、当時の担当者が試験データを改ざんした可能性が高いとしている。

<国交省>
東洋ゴム工業(株)が製造した免震材料の大臣認定不適合等について
1.概要
東洋ゴム工業(株)が製造した免震材料である「東洋ゴム工業製高減衰ゴム系積層ゴム支承」について、
①大臣認定の内容に適合しない製品を販売していたこと(大臣認定不適合)、
②不正な申請書を提出し建築基準法に基づく性能評価・大臣認定を受けていたこと(大臣認定不正取得)が判明した旨、同社から国土交通省に報告があった。

2.内容
①大臣認定不適合について
東洋ゴム工業(株)が平成15年から平成23年にかけて大臣認定を受けた免震材料について、地震の揺れを抑える能力が大臣認定品よりも低い製品(具体的には、等価粘性減衰定数・等価剛性の平均的な製造ばらつきが大臣認定で許容されていた基準値±10%を超えていた製品)を販売していました。
・現時点で大臣認定不適合が判明:55棟(販売された免震材料は2,052基)
した棟数(調査中)

<既に設置されている物件所在地>55棟
宮城県5棟、
福島県1棟、
茨城県2棟、
埼玉県3棟、
東京都5棟、
神奈川県6棟、
新潟県1棟、
長野県1棟、
静岡県4棟、
岐阜県2棟、
愛知県5棟、
三重県4棟、
京都府1棟、
大阪府2棟、
香川県1棟、
愛媛県2棟、
高知県9棟、
福岡県1棟

<物件の用途>
共同住宅25棟、
庁舎12棟、
病院6棟、
倉庫4棟、
データセンター2棟、
工場2棟、
研究施設1棟、
個人住宅1棟、
事務所1棟、
複合施設1棟

・物件の規模:15階建て以上のものが10棟程度(最大で30階建て)

※構造安全性については現在調査中だが、上記建築物のうち、東日本大震災時に宮城県仙台市宮城野区・青葉区(震度6強~6弱の地域)に建設されていた3棟については、震災後に現地調査を実施した管理会社等から構造体に損傷は生じなかったとの報告を受けている。

②大臣認定不正取得について
東洋ゴム工業(株)が平成18年以降に免震材料の性能評価・大臣認定を申請するに当たって、上記①の大臣認定不適合製品が当該大臣認定に適合する製品であるものとして製造実績を提出し、新たな性能評価・大臣認定を受けていた。

・不正取得が判明した大臣認定数:3件
・認定を受けた免震材料の名称:東洋ゴム工業製高減衰ゴム系積層ゴム支承
・認定番号:認定番号MVBR-0317(平成18年10月25日付け)
認定番号MVBR-0343(平成19年4月26日付け)
認定番号MVBR-0438(平成23年10月25日付け)
・指定性能評価機関:(一社)日本免震構造協会

3.国土交通省における対応

(1)大臣認定の取消し
不正取得に係る免震材料の大臣認定3件については、13日付けで取り消した。

(2)東洋ゴム工業(株)に対する指示
13日、東洋ゴム工業(株)に対して、次のことを指示した。
①大臣認定不適合が判明した免震材料が設置された建築物の所有者に、その旨を早急に説明するとともに、当該建築物の設計者等の関係者と協力して、速やかに構造安全性の検証を実施し、その結果を国土交通省及び所轄の特定行政庁に報告すること。

②構造安全性の検証を踏まえ、必要なものについては、免震材料の交換・改修その他必要な対策を速やかに実施し、その結果を国土交通省及び所轄の特定行政庁に報告すること。

③徹底した原因究明を行い、再発防止策を検討し、国土交通省に報告すること。

④東洋ゴム工業(株)が保有する他の大臣認定について、改めて法適合性を確認すること。

(3)特定行政庁に対する要請
13日、関係する特定行政庁に対して、大臣認定不適合が判明した免震材料が設置された建築物について、東洋ゴム工業(株)からの報告を受けて、建築基準法上の不適合状況の確認、構造安全性の検証結果を踏まえた是正指導を行うよう要請した。

(4)建築物所有者等への対応
①東洋ゴム工業(株)の「免震ゴムお客様ご説明窓口」
電話番号:0120-880-328(24時間無休)

②公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターの相談窓口
電話番号:0570-016-100(PHSや一部のIP電話の場合は、03-3556-5147)
相談時間:10:00~17:00(土日祝日を除く)

※住宅の品質確保の促進等に関する法律(住宅品確法)に基づく住宅性能評価を受けている共同住宅等については、当該住宅性能評価の結果に影響が生じる場合もある。
【問い合わせ先】
○建築基準法に関すること
国土交通省住宅局建築指導課企画専門官今村敬(内線39-515)
企画専門官高木直人(内線39-532)
電話:03-5253-8111(代表)、03-5253-8514(直通)
FAX:03-5253-1630

○住宅品確法に関すること
国土交通省住宅局住宅生産課課長補佐 中野秀也(内線39-453)
係長野尻真伸(内線39-421)
電話:03-5253-8111(代表)、03-5253-8510(直通)
FAX:03-5253-1629

東洋ゴム

<東洋ゴム>
東洋ゴムは次のとおりリリースしている。
判明事実の経緯と内容について
1)大臣認定の性能評価基準*1に適合しない当該製品の判明
2014年2月、当社の子会社である東洋ゴム化工品株式会社において、担当者の変更を契機として、高減衰ゴムが大臣認定の性能評価基準に適合していないとの疑いが認識された。
その後、東洋ゴム化工品株式会社から報告を受けた当社は、本件疑いの内容、可能性の程度、当該製品の免震性能評価等の検証を開始した。
その結果、本件疑いの可能性が高いと判断し、2015年2月9日、この事実を国土交通省に対し自主的に一報を行った。
その後、2015年3月12日に本件疑いの可能性が極めて高いと認識したので、その旨を直ちに国土交通省に対し自主的に報告した。
現在、事態を招いた背景に関して、詳細な調査を継続しているところだが、当社従業員が高減衰ゴムの性能評価を技術的根拠なく変更していたことに起因する可能性が高いものと考えている。
*1 認定番号MVBR-0162、MVBR-0317、MVBR-0343、MVBR-0438、MVBR-0439

2)技術的根拠のない申請による大臣認定取得の判明

上記1)の確認・検証作業の中で、当該認定の取得に際し、技術的根拠のない性能評価基準の申請により、大臣認定を受けていた可能性のあることが判明した。
その後、2015年3月12日に、その可能性が極めて高いと認識したので、これに基づいて国土交通省に対し自主的に報告を行うとともに、13日、認定の自主取下げを行った。
本取下げにより、認定番号MVBR-0317、MVBR-0343、MVBR-0438の合計3件の大臣認定は、13日、国土交通省により取り消された。

 

[ 2015年3月14日 ]
スポンサード リンク
 

 

コメントをどうぞ

関連記事

  • この記事を見た人は以下も見ています
  •  
  • 同じカテゴリーの記事です。
  •   
スポンサード リンク
 
JCNET注目記事!
「医療法人社団菫会」前田章理事長と黒い巨頭(06/08 11:36) 2015:06:08:11:36:29
PR いま建設業界の求人が急増中、当サイトおすすめの「建設・建築求人ナビ」 が便利です。


PICK UP

↑トップへ