アイコン ブラジル 三菱重工など5社出資企業が危機に  国営石油会社ペトロブラスの大汚職に

ブラジルサンパウロのエスタド・ジ紙は、ブラジル国営石油会 社ペトロブラスを舞台にした汚職事件問題で、三菱重工業などが出資する造船所に発注企業が、事件への関与を指摘され、13億レアル(約476億円)に上る 未払い金が発生しているため、深刻な経営危機に陥っていることが分かったと報じた。
日本政府は、ブラジル政府に対し、問題解決に向けた支援を要請したという。

<ペトロブラス汚職問題、2015年2月23日>
パラナ連邦地裁が23日、連邦警察のラヴァ・ジャット作戦(LJ)で摘発された、ペトロブラス(PB)元サービス部レナト・ドゥケ氏や労働者党(PT)中央会計ジョアン・ヴァカリ・ネット氏ら27人に対する起訴を受理したと24日付でブラジル紙が報じた。
 PBを巡る大型汚職ペトロロンでは既に、供給部と国際部に関連する事業を請け負った企業が、進歩党(PP)とPT、民主運動党(PMDB)に対する贈収賄を行っていたとして起訴済み。
今回はサービス部とPTを巡る贈収賄と資金洗浄で企業家15人、闇ブローカーや関係者9人、PB元理事2人と元課長1人が起訴された。

<ペトロブラス汚職問題、2015年1月>
ブラジルのルセフ大統領は2012年、ブラジルは29隻を建造予定するなど世界有数の石油・ガス掘削船の建造拠点にするという夢は、国営石油会社ペトロブラスが贈収賄事件を引き起こした暗雲立ち込めている。
 ペトロブラスは、2014年7~9月期決算が、建設会社が幹部に賄賂を渡していたとされる汚職疑惑を受け、決算発表がたびたび延期され、2015年(今年)1月27日にやっと発表された。その汚職は大規模で、業者・幹部・政党へ広がり続けている。

<2013年10月三菱重工業など5社出資>
出資のエコビックス社は201年に設立されたばかり。
三菱重工業、今治造船、名村造船所、大島造船所および三菱商事の5社は22日、ブラジルの大手造船会社エコビックス-エンジェビックス社(ECOVIX-Engevix Construções Oceânicas S.A.:エコビックス社)に資本参加することで合意し、株式購入契約を締結した。5社でエコビックス社の30%の株を購入する。

 エコビックス社は、エンジニアリングや発電などを幅広く手掛けるジャクソンJACKSON)グループの傘下にある。

同グループはエコビックス社のほか、ブラジルの大手エンジニアリング会社であるエンジェビックス社(ENGEVIX Engenharia)、クリーンエネルギー発電会社のデセンビックス社(DESENVIX)、インフラ関連の運営を手掛けるインフラビックス社(INFRAVIX)を統括する持株会社。

エコビックス社は2010年、ブラジル国営石油公社ペトロブラス社向けに、沖合のプレソルト層油田から石油を採掘する同国のプログラムをサポートするFPSO(洋上浮体式生産・貯蔵・積出施設)船体8隻を建造するために設立された。2012年8月には、ブラジル政府向けにドリル船3隻を受注している。
 同社は、ラテンアメリカで3番目に大きな年金基金のFUNCEF(Fundação dos Economiários Federais)と共同で、南部のリオグランデ・ド・スル州(Rio Grande do Sul)にある造船所(持株会社名:RG ESTALEIROS)を運営。
同造船所は、従業員5,000人強で、2,000トンのガントリー・クレーンを備えた国内最大のドライドックを持っている。

プレソルト層に埋蔵されている石油は、ここ数十年で最大の発見で、埋蔵量確認とその採掘には技術的課題があったが、ペトロブラス社はこの課題の克服に成功した。
ブラジルは数年後にはこの石油を国内消費するだけでなく輸出することを計画しており、埋蔵量探査とその後の石油生産は、今後20年にわたる国家計画の重要な部分を占めることになる。

・・・当時は、原油価格が半額の激安になるとは夢だに思われていなかった。こうしたことに加え、汚職の広がりや採掘コストしだいでは、開発がストップする可能性すらある。

[ 2015年3月30日 ]
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