アイコン 新日鐵住金 第一四半期 赤字転落 中国の安値攻勢に市場価格下落直撃

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日本の鉄鋼業界は、円高、中国の過剰生産問題、米国と中国からの反ダンピング税課税問題、ブラジル企業への投資問題を抱えている。一方、東京五輪向けに大量の需要が予定されている。
同社は28日、第一四半期決算を発表した。それによると、過剰生産が続く中国から東南アジアに向けて安価な鉄鋼製品が出荷された結果、日本からの輸出が低迷したことに加え、円高が進んだことで、日本から輸出する鋼材の採算が悪化し、赤字になったと発表した。なお、通期については、東京五輪向けの納材が開始され、1300億円の経常利益を確保できるとしている。

中国は、鉄鋼業界の構造改革を進めているがイタチゴッコ、工場を売却処分して閉鎖したと当局に通知しながら、平気でその工場を稼動させている。中国では昨年11月ころから不動産新築価格の上昇を受け、鉄鋼製品価格が急騰、閉鎖したはずの工場をあの手この手で稼動させ、これまでの最大の生産量となっているという。しかし、現実は、中国特有の価格の加熱現象でその後急速に冷め、行き場のない膨大な鉄鋼製品が輸出に振り向けられ、韓国や東南アジア、欧米・日に大量に安価品が流入している。

業を煮やした欧米日では反ダンピング税で応じ、これに対し中国も日欧韓の企業に対して一部鉄鋼製品に反ダンピング課税を課し手対抗している。
 それまでも中国経済の低迷から約8千万トンは輸出され、市場価格を低下させ、混乱させてきたが、各国の鉄鋼業界が悲鳴を上げる状態に至っている。最近では1億2千万トン以上が輸出されていると報じられている。

 

連結/百万円
売上高  
営業利益
経常利益
当期利益
14/3
5,516,180
298,390
361,097
242,753
15/3
5,610,030
349,510
451,747
214,293
16/3
4,907,429
167,731
200,929
145,419
16/3期Q1
1,264,933
52,386
84,420
72,733
17/3期Q1
1,051,141
-7,392
-12,050
-14,638
17Q1/16Q1
-16.9%
 
 
 
17/3期予想
 
 
130,000
 
17期/16期比
 
 
-35.3%
 

 

世界の鉄鋼生産量と中国の推移
 
世界生産量
中国生産量
シェア
2005
1,147,975
355,790
31.0%
2006
1,250,098
421,024
33.7%
2007
1,348,108
489,712
36.3%
2008
1,343,429
512,339
38.1%
2009
1,238,755
577,070
46.6%
2010
1,433,433
638,743
44.6%
2011
1,538,003
701,968
45.6%
2012
1,560,131
731,040
46.9%
2013
1,650,354
822,000
49.8%
2014
1,670,145
822,698
49.3%
2015
1,622,800
803,830
49.5%
出典:世界鉄鋼協会(WSA)
 

[ 2016年7月29日 ]
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