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英下院は14日、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット、Brexit)に関するメイ首相の方針を支持する動議を否決した。
ブレグジットを43日後(3月29日)に控え、メイ首相が議会で新たな敗北を喫した。

メイ首相がEUとの離脱協定案の再交渉を目指す中で行われた採決では、与党・保守党内のEUに懐疑的な強硬派議員らが棄権した。
動議に拘束力はないものの、承認されれば、「合意なき離脱」回避の可能性が高まると期待されていた。

ブレグジット支持派のリアム・フォックス国際貿易相は、採決に先立ち議員らに対し、動議が否決されれば再交渉後の協定案が議会承認を得られるか否かの疑念が強まり、EUからの妥協を引き出せる可能性が低くなると警告していた。

英国際貿易省などは14日までに、同国が欧州連合(EU)から合意なしに離脱した場合、最大で自国の貿易分野の6割で混乱が生じると報告した。

EUの広大な市場への進出で優遇される立場を失えば、英貿易分野の約半分で高率の関税が課され、コスト増などを被る。
EUやその貿易パートナー国と現在結んでいる付随的な協定からも締め出されることになる。

この追加協定は約70ヶ国を網羅し、英国の貿易全体では13%の比率を占める。

英政府は、離脱前にこれら協定の類似版の確保を最大限に図っているが、実現したのは4協定のみ。この緩慢な状態が続けば、英国の貿易額のうち最大で1兆米ドル(約111兆円)分で新たな貿易障壁に直面しかねない。

EUからの離脱期限は今年3月29日。英政府はEUと離脱協定案にいったん合意したが英国の与野党が一部内容に反発し、議会としての総意がまだ得られないでいた。

混乱必至の状態で離脱した場合、英国は世界貿易機関(WTO)が定める貿易関税に従うことになる。ただ、関税率は現在より高めとなる。

英国が他国との貿易協定に活路を求めても、世界最大の統一市場としてのEUの一員ではなく単独国家として交渉に臨むため厳しい条件を突き付けられる可能性がある。

日本や韓国は既に、将来的な貿易交渉で英国に譲歩を求めることを示唆している。
英サセックス大学で経済学を教える貿易の専門家は、特に日産やトヨタなど日本企業はEU圏との自由な貿易を確保出来るとの前提で英国に拠点を築いたとの立場をにじませていると指摘している。その恩恵がなければ英国側に一定の償いを促すことを示唆していると述べている。
以上、

英国生産の自動車は、部品をEUに依存しており、英仏トンネルで運ばれている。合意なき離脱では、即日、入管が設置され、関税が課せられる。
その手続きに、大渋滞が発生し、部品が届くのがいつになるかわからず、トヨタなどは合意なき離脱では、一時工場をストップさせると表明している。関税分だけ、部品も高く付き、原価を押し上げる。

ブレグジッド派は合意なき離脱が、その後の交渉を優位に運べるとしているが、EUは英離脱そのものを嫌っており、優位に交渉を進められる可能性は極めて低い。

日本のEPAから、英国は離脱することになり、日本は英国に対してTPPに加盟するように促している。

メイ首相はブレグジッドの2度の否決にやり切れず、辞任の噂も立っている。

ブレングジッドは国民の総意、今では間違っていたと解答する人たちが多くなっているが、選挙と一緒で、今更、間違っていたとは言えない。今回の否決も英国の総意である。

ただ、合意なき離脱は、食糧や資材の多くを輸入に依存する英国経済・英国民に、さらに深刻な問題を投げかける現実が待っている。