LINEが29日発表した2019年12月期の連結決算(国際会計基準)は、最終損益が▲468億円の赤字(前の期は▲37億円の赤字)だった。
スマホ決済「LINEペイ」のマーケティング費用や金融サービスの開発費用がかさみ、赤字が大きく膨らんだ。
10月にはZホールディングス(ソフトバンクグループの持株会社)との経営統合を予定しており、上場企業としては最後の本決算となる。
売上高にあたる売上収益は、前期比10%増の2,274億円だった。
増収の主な要因は広告。「LINEニュース」の利用者数が増えたことや、企業が新製品の販売促進などに使う公式アカウントの開設件数が増えたことが貢献した。
営業損益は▲389億円の赤字(前期は161億円の黒字)に転落した。
広告やコンテンツなどを含むコア事業の営業利益は19%増の315億円だった。
一方、スマホ決済や人工知能(AI)などの戦略事業は▲665億円の営業赤字(前期は▲349億円の赤字)となった。
新規事業に投じる人件費やマーケティング費用が膨れ上がり、既存事業が稼ぐ利益で賄えなくなっている。
10~12月のLINEペイの国内での月間利用者数は370万人となり、四半期としては過去最大のキャンペーンを行った4~6月の490万人に次ぐ水準だった。
以上、
同社はいつ利益を回収してくるのだろうか。結局、本業のアプリ販売や広告では成長できず、事業分野を増加させることで成長させているが、利益の刈り取りも必要だろう。
↓LINE業績推移(国際会計基準、当期利益は最終利益ではない)
LINE
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連結/百万円
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売上高
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当期利益
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13/12期
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39,585
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-6,391
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14/12期
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86,366
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2,004
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15/12期
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120,405
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-7,972
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16/12期
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140,704
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7,104
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17/12期
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167,147
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8,210
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18/12期
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207,182
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-5,792
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19/12期
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227,485
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-51,416
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