アイコン ≪第10弾≫住民監査請求書(五島商会の産地偽装事件)

Posted:[ 2026年5月20日 ]

 

第2 請求の原因

住民監査請求書

1 海砂の産地偽装疑惑
報道関係者の調査によれば、長崎県内の公共工事等において使用される海砂について、地産地消の観点から長崎県産の使用が求められているにもかかわらず、唐津産の海砂が長崎県産又は壱岐産であるかのように販売されていた疑いがある。
疑惑の中心とされているのは、長崎県の株式会社五島商会である。同社は、海砂に「試験結果報告書」を添付し、県内の生コン業者等へ販売していたとされる。
しかし、当該「試験結果報告書」は、壱岐開発株式会社が作成した「細骨材試験報告書」に、五島商会が表紙を付けたものではないかとの疑いがある。



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2 壱岐開発株式会社との取引関係に関する矛盾

登記簿

五島商会の当時の代表取締役は、取材に対し、同社が取り扱っている砂は壱岐産であり、唐津産ではない旨を述べた一方で、壱岐開発株式会社との現在の取引はないとも述べている。
他方、壱岐開発株式会社長崎支店長は、当該「細骨材試験報告書」が壱岐開発のものであることを認めたうえで、五島商会が同社の報告書を用いて、五島商会の「試験結果報告書」として取引先に提示していたことは知らなかった旨を述べたとされる。
さらに、壱岐開発側は、五島商会が販売している砂は壱岐産ではなく唐津産である旨を述べている。
このように、五島商会側の説明と壱岐開発側の説明は明らかに食い違っており、海砂の産地、試験報告書の真正性、公共工事における材料確認の適正性について、重大な疑義が生じている。

3 公共工事における財務会計上の問題
本件が単なる民間取引上の問題にとどまるのであれば、住民監査請求の対象とはなりにくい。
しかし、長崎県発注工事又は長崎県が補助金・交付金等で財政的関与を行った公共工事において、長崎県産又は壱岐産であることを前提として材料承認、設計、施工、検査、工事代金の支出が行われていた場合、実際には条件を満たさない海砂に対して公金が支出されたことになる。
これは、違法又は不当な公金支出、契約履行確認の不備、損害賠償請求又は返還請求を怠る事実に該当する疑いがある。
地方自治法第242条に基づく住民監査請求は、自治体職員等による違法又は不当な財務会計上の行為や怠る事実について、監査と必要な措置を求める制度であると説明されている。

4 会社売却による疑惑隠しの疑い

(株)五島商会

報道によれば、五島商会はその後、葵商事に売却され、代表者も変更されたとされる。
産地偽装疑惑、試験結果報告書の流用疑惑が浮上している時期に、当事会社が売却され代表者が変更されたことは、疑惑隠し、責任回避、証拠散逸のおそれを生じさせる事情である。
したがって、監査委員は、速やかに関係資料の保全、関係部局からの聴取、公共工事における使用実態の調査を行う必要がある。

JC-net・日刊セイケイ編集長・中山洋次

 


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