2026年8月の北海道では、建設業やクリーニング、製造・卸売、福祉、不動産、運送など、幅広い業種で企業の経営破綻が相次いでいる。
8月28日時点で個別に確認できた主な案件では、破産手続き開始決定を受けた企業のほか、事業停止・破産申請準備、弁護士一任に至った企業を含め少なくとも11社に動きがあった。
大型倒産が集中しているというより、原材料費や人件費などのコスト上昇、売上減少、人手不足など、それぞれ異なる経営課題を抱えた中小企業の破綻が業種横断的に発生している点が特徴となっている。
北海道で相次ぐ企業倒産 8月は建設、サービス、運送など幅広い業種に広がる2026年8月の北海道では、建設業やクリーニング、製造・卸売、福祉、不動産、運送など、幅広い業種で企業の経営破綻が相次いでいる。
8月28日時点で個別に確認できた主な案件では、破産手続き開始決定を受けた企業のほか、事業停止・破産申請準備、弁護士一任に至った企業を含め少なくとも11社に動きがあった。
大型倒産が集中しているというより、原材料費や人件費などのコスト上昇、売上減少、人手不足など、それぞれ異なる経営課題を抱えた中小企業の破綻が業種横断的に発生している点が特徴となっている。
| 日付 | 企業名 | 所在地 | 業種 | 状況 | 負債 |
|---|---|---|---|---|---|
| 8/3 | (株)前田美粧 | 釧路市 | 理美容用品卸 | 破産開始 | 約3055万円 |
| 8/4 | (同)YSK | 札幌市中央区 | ― | 破産開始 | 不明 |
| 8/5 | (株)グッドネス | 室蘭市 | 冷却用品製造卸 | 破産開始 | 約8500万円 |
| 8/5 | (株)きたまいか | 札幌市西区 | XR・AR・VR関連 | 破産開始 | 不明 |
| 8/5 | 北海総合システム(株) | 札幌市厚別区 | 管工事 | 破産開始 | 不明 |
| 8/6 | (有)ウエルド | 札幌市東区 | 内装仕上工事 | 破産開始 | 約1億円 |
| 8/6 | (株)エムシー企画 | 札幌市東区 | 不動産 | 破産開始 | 不明 |
| 8/10 | (同)ふれ愛 | 江別市 | 就労継続支援B型 | 破産開始 | 不明 |
| 8月 | コントレイル(株) | 札幌市 | 運送 | 弁護士一任 | 不明 |
| 8/24 | (有)スタークリーニング | 苫小牧市 | クリーニング | 事業停止 | 約7000万円 |
| 8/24 | (株)スタークリーニングウェルフェア | 苫小牧市 | 就労継続支援等 | 事業停止 | 約4500万円 |
※8月28日時点で確認できた主な案件。負債額は判明分。破産開始決定のほか、事業停止、弁護士一任を含む。
月後半では、苫小牧市の(有)スタークリーニングと関連会社の(株)スタークリーニングウェルフェアが8月24日に事業を停止し、破産申請の準備に入った。
2社の負債は2026年3月期末時点で合計約1億1500万円。スタークリーニングは1967年創業で、病院や福祉施設、ホテルなどを主要取引先として事業を展開してきた。
ピークとなった2002年3月期には約2億5000万円の売上高を計上したが、その後は事業規模が縮小。近年は燃料費や資材価格の上昇などで採算が悪化し、赤字が続いていた。
建設関連では、札幌市東区の(有)ウエルドが8月6日に破産手続き開始決定を受けた。
同社は1996年設立。内装仕上工事などを手がけ、ピーク時には売上高7億8000万円を超える規模に成長していたが、コロナ禍以降は受注環境が悪化した。
その後は資材価格や人件費の上昇も収益を圧迫し、負債約1億円を抱えて法的整理に至った。
8月5日には、室蘭市の(株)グッドネス、札幌市西区の(株)きたまいか、札幌市厚別区の北海総合システム(株)が相次いで破産手続き開始決定を受けた。
グッドネスは保冷剤や冷却用品などの製造・卸売を手がけ、負債は約8500万円。きたまいかはXR、AR、VR技術を活用したコンテンツやシステム開発を手がけていた。
また、札幌市東区では不動産業の(株)エムシー企画、江別市では就労継続支援B型事業を手がける(同)ふれ愛も破産開始決定を受けた。
ふれ愛は2025年設立と新しく、設立から短期間で法的整理となった。老舗企業だけでなく、設立間もない企業にも経営破綻が及んでいる。
札幌市を拠点に一般貨物自動車運送を手がけていたコントレイル(株)も、8月に弁護士へ事後処理を一任した。
同社は家具や家電製品の配送・設置、荷役作業などを展開し、旭川にも営業拠点を設けていた。2026年7月にも札幌市白石区でコンビニ商品のルート配送ドライバーを募集するなど採用活動を続けていた。
現時点では負債総額や具体的な破綻原因、今後の法的手続きについては明らかになっていない。
8月の北海道で確認された企業倒産を見ると、特定の業種だけに経営悪化が集中しているわけではない。
建設業では資材価格や人件費の上昇、サービス業では燃料費や運営コストの増加など、それぞれ異なる問題を抱える一方、売上規模が縮小するなかで上昇したコストを十分に吸収できなくなった企業もみられる。
さらに、不動産、IT、福祉、運送などにも経営破綻が広がっていることから、北海道の中小企業を取り巻く厳しさは一部の業界に限られたものではない。
コスト増、人手不足、賃金上昇、既存借入金の返済など複数の負担が重なるなか、企業ごとの体力差が表面化しつつある。
8月は残り数日を残しており、今後さらに新たな事業停止や法的整理が判明する可能性がある。月間の件数だけではなく、どの業種で、どのような理由から企業が事業継続を断念しているのかを継続してみていく必要がありそうだ。