【東北閉店情報まとめ】老舗・全国チェーン・生協まで 6県の閉店動向を追う
東北地方で2026年、長年地域で営業してきた老舗をはじめ、全国チェーンの小売店や飲食店、スーパー、商業施設内のテナントなどで営業終了が相次いでいる。
JC-NETがこれまで青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島の6県で調査した閉店情報を改めて整理すると、各県で状況は異なるものの、半世紀前後にわたり営業してきた老舗の退場、全国チェーンによる店舗網の見直し、大型商業施設でのテナント入れ替えなど、複数の動きが同時に進んでいることが分かる。
ポイント: 今回掲載する店舗は、JC-NETが2026年8月27日までに確認した主な閉店・閉店予定店舗であり、東北地方で発生したすべての閉店を集計したものではない。
東北6県 主な閉店・営業終了の動向
| 県 | 主な閉店・営業終了 | 時期 | 注目される動き |
|---|---|---|---|
| 青森 |
小梅寿司 食事処おりと ヴィレッジヴァンガード イオンモールつがる柏店 すたみな太郎 弘前店 |
6月30日 6月30日 7月26日 8月23日 |
青森市では40年以上営業した老舗飲食店が相次いで閉店。弘前・つがるでは全国チェーンにも動き。 |
| 岩手 |
TSUTAYA久慈店 アベイル久慈店 老舗食堂「ふじた」 盛岡駅ビル「フェザン」内3店舗 |
7月12日 7月20日 7月31日 8月末 |
久慈市では全国チェーンの撤退が複数確認され、盛岡では駅ビル内のテナント入れ替えが進む。 |
| 宮城 |
狸の焼鳥 TaylorMade 三井アウトレットパーク仙台港 ヴィレッジヴァンガード イオンタウン仙台泉大沢店 仙台PARCO2の複数飲食店 |
8月末予定 8月26日 8月31日予定 7~8月 |
仙台駅前で72年間営業した老舗が閉店へ。大型商業施設では複数テナントの入れ替えが進行。 |
| 秋田 |
イオン土崎港店 元祖 神谷焼そば屋 ガスト秋田山王店 アカネヤエブリー |
2月28日 7月31日 8月23日 8月25日 |
約46年間営業した大型店に加え、「横手やきそば」発祥店として知られる老舗も営業終了。 |
| 山形 |
ウエルシア山形東青田店 ウエルシア米沢本町店 らー麺たまや零式 アクトスWill_G ヨークタウン上山 |
7月31日 7月31日 7月31日 7月31日 |
同日に複数業態の店舗が営業終了。イオンモール天童などでは新規出店もあり、テナント再編の側面もある。 |
| 福島 |
COOPとねがわ店 COOPぷらざ店 COOPほんまち店 TSUTAYA鎌田店 |
3月20日 5月20日 7月20日 9月30日予定 |
コープあいづが経営再建に伴い3店舗を整理。生活に密着した小売店舗の再編が目立つ。 |
青森 半世紀近く続いた老舗が相次ぎ姿消す
青森県で特徴的なのは、長期間営業してきた地域密着型の飲食店の閉店である。
青森市では6月30日、46年間営業した「小梅寿司」と、48年間親しまれてきた「食事処おりと」が営業を終了した。「食事処おりと」は火災による休業後、店舗を再開することなく閉店となった。
一方、全国チェーンでも、イオンモールつがる柏の「ヴィレッジヴァンガード」が7月26日、「すたみな太郎 弘前店」が8月23日に営業を終了した。
閉店事情は一様ではなく、六戸町の無人販売所「KAOTTO」は窃盗被害を理由に営業継続を断念するなど、個別事情による閉店も確認されている。
岩手 久慈で全国チェーン撤退、盛岡駅でもテナント再編
岩手県では、地方都市での全国チェーン撤退が目立つ。久慈市では「TSUTAYA久慈店」が7月12日、「アベイル久慈店」が7月20日に営業を終了し、マックハウス久慈店でも閉店に向けた動きが確認された。
盛岡市では1967年開業の老舗食堂「ふじた」が7月31日で営業を終了。さらに盛岡駅ビル「フェザン」でも8月末に複数店舗が営業を終えるなど、県都でも商業施設内の店舗入れ替えが続いている。
久慈市のような地方都市で全国チェーンの撤退が重なる動きと、盛岡の駅ビルで進むテナント再編は分けて見る必要がある。
宮城 仙台中心部で72年の老舗閉店、商業施設でも動き
宮城県では仙台市を中心に店舗の入れ替わりが目立っている。
仙台駅西口で72年間営業してきた老舗「狸の焼鳥」は8月末で営業を終了する予定。長年にわたり駅前で営業してきた店舗だけに、地域商業の変化を象徴する閉店の一つとなる。
大型商業施設でも動きがあり、「三井アウトレットパーク仙台港」のTaylorMadeが8月26日に営業を終了。「イオンタウン仙台泉大沢」のヴィレッジヴァンガードも8月31日で閉店する予定となっている。
仙台PARCO2でも7月から8月にかけて複数の飲食店が営業を終了しており、仙台中心部と郊外商業施設の双方でテナント構成が変化している。
秋田 大型店と地域を代表する老舗が営業終了
秋田県では、大型小売店と地域の老舗という異なるタイプの閉店が確認された。
秋田市では、1979年に「ジャスコ土崎港店」として開業した「イオン土崎港店」が2月28日で営業を終了。約46年間、地域の買い物拠点として営業してきた大型店舗が姿を消した。
横手市では1955年創業で、「横手やきそば」発祥店として知られる「元祖 神谷焼そば屋」が7月31日に閉業。そのほか、秋田市では「ガスト秋田山王店」が8月23日、由利本荘市の「アカネヤエブリー」が8月25日に営業を終了した。
山形 ドラッグストア、飲食、フィットネスまで幅広く
山形県では7月31日に複数業態の店舗が営業を終了した。
「ウエルシア山形東青田店」と「ウエルシア米沢本町店」が同日閉店したほか、山形市で14年間営業した「らー麺たまや零式」、上山市のフィットネスクラブ「アクトスWill_G ヨークタウン上山」も営業を終了した。
一方、イオンモール天童などでは既存テナントの営業終了と並行して新規出店も進んでいる。このため、確認された閉店だけをもって山形県内の商業市場全体が一方向に縮小していると判断することはできず、商業施設についてはテナントの新陳代謝という側面もある。
福島 コープ3店舗を整理、地域の買い物環境にも影響
福島県で注目されるのは、生協店舗の再編である。
コープあいづは2026年、「COOPとねがわ店」「COOPぷらざ店」「COOPほんまち店」の3店舗を相次いで閉鎖した。経営再建に向けて店舗事業の合理化を進めているもので、残る店舗の収益改善や宅配事業の拡大などを図っている。
店舗の整理後は移動販売や買い物支援による対応も進められており、単純な小売店舗の撤退だけではなく、高齢者を含む地域住民の買い物手段をどう維持するかという課題も浮かぶ。
また、福島市では32年間営業してきた「TSUTAYA鎌田店」が9月30日で閉店する予定。いわき市でも靴店、衣料品店、飲食店など複数業態で営業終了が確認されている。
東北の閉店から見える4つの動き
| 動き | 確認できる事例 |
|---|---|
| 老舗の営業終了 | 青森の小梅寿司・食事処おりと、宮城の狸の焼鳥、秋田の元祖 神谷焼そば屋など。 |
| 全国チェーンの再編 | TSUTAYA、アベイル、ウエルシア、ヴィレッジヴァンガード、すたみな太郎など。 |
| 生活密着店舗の整理 | 福島ではコープあいづが3店舗を閉鎖。地域住民の買い物環境への影響も生じる。 |
| 商業施設の新陳代謝 | 盛岡駅フェザン、仙台PARCO2、イオンモール天童などでテナントの入れ替えが進む。 |
閉店理由は一括りにできず
東北6県で閉店が続いていることは確認できるものの、その理由を一つの要因で説明することはできない。
店舗側が理由を公表していないケースも多い一方、青森では窃盗被害や経営者個人の事情、福島のコープあいづでは経営再建に伴う店舗合理化など、具体的な事情が明らかになっているケースもある。
全国的に小売・外食業界では人件費、原材料費、光熱費などの上昇や人手不足が経営課題となっているが、それらを今回掲載した個々の店舗の直接的な閉店原因と断定することはできない。
また、大型商業施設では閉店と同時に新規テナントの出店も進んでいる。したがって「閉店店舗が増えた」という一面だけではなく、既存店舗の退場と新たな店舗への入れ替え、全国チェーンの店舗網再編、地域密着店の世代交代などを含め、東北の商業地図が徐々に組み替わっていると見る必要がありそうだ。
※掲載店舗は東北地方のすべての閉店店舗を網羅したものではありません。
※閉店理由が公表されていない店舗について、原因の推測は行っていません。
※閉店予定日や営業状況は変更される場合があります。情報は2026年8月27日時点。





