【福岡】家具卸の(有)らしっくが破産申請へ 負債約3.85億円 売上高5.3億円から1億円台へ
福岡県大川市大字榎津の家具卸売業、(有)らしっくが8月24日までに事業を停止し、自己破産申請の準備に入ったことが分かった。負債総額は2025年9月期末時点で約3億8500万円に上るが、今後変動する可能性がある。
同社は2006年2月設立。家具産地として知られる大川市を拠点に、家具販売店向けとしてベッド、食器棚、ソファ、マットレスなど国産・輸入家具の卸売を手がけていた。
自社で企画した家具を海外で製造・輸入する事業にも取り組んだほか、「Y’m style(ワイムスタイル)」「C・Sインテリア」の店舗名で楽天市場やYahoo!ショッピングに出店。業者向け卸売に加えてインターネット通販にも販路を広げ、2019年9月期には売上高約5億3100万円を計上していた。
しかし、その後は従業員の退職や人材育成面での課題が生じたほか、コロナ禍を境に輸入家具を取り巻く物流環境が悪化。世界的なコンテナ不足や輸送コストの上昇によって商品の入荷に遅れが生じ、販売機会にも影響が及んだ。
コロナ関連融資を活用するなどして資金繰りを維持していたものの、その後も業況は回復せず、仕入れ価格や物流費などの上昇も採算を圧迫。2025年9月期の売上高は約1億7400万円まで落ち込み、ピークだった2019年9月期と比べ約3分の1の水準に縮小した。
利益面でも赤字計上を余儀なくされ、財務状況は債務超過に陥っていた。
一方、事業継続に向けた動きも続けていた。2026年1月に開催された「第58回大川家具新春展」には出展企業として参加しており、大川家具産地の事業者として営業を継続。また、事業停止のおよそ1カ月前となる7月には、家具の配送や倉庫管理を担当する正社員の求人も行っていた。
しかし、長期化する売上低迷に加え、物価高や物流コスト上昇による収益悪化を立て直すには至らず、8月24日に事業を停止。自己破産申請の準備に入った。
家具の一大産地である大川を拠点に、卸売だけでなくEC販売や輸入家具にも事業を広げてきた同社だったが、コロナ禍以降の物流環境の変化と販売低迷、コスト上昇が重なり、約20年の事業に区切りをつけることとなった。
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