みんなのウェディングの問題 新社長に元カカクコム役員の内田陽介氏就任
結婚式場選びの口コミサイト運営、提携式場からの掲載料が収益源、シネ婚 など挙式運営も展開している「みんなウェディング」。今年3月に上場したばかりだが、11月14日には、穏やかならぬ「売上に関する社内調査結果に関する ご報告」をリリースし、同社代表取締役である飯尾慶介氏が、個人資金を拠出して売上計上していたと発表した。
同社は、(株)ディー・エヌ・エーの一事業であった「結婚関連情報提供サービス事業」を、2010年10月会社分割して設立され、昨年9月期の10億11百万円の売上高で、今年3月25日マザーズ市場に上場した。
当 事案は、上場後の初決算となる9月決算の監査に当たっていた監査法人のトーマツが指摘したことから発覚したが、これまでの売上の経理計上が杜撰だったこと が窺い知れる。また、それまでの税理士やトーマツの指導もいかがなものかと思われる。教育指導が至らなかったことにより2人も取締役が退任することになっ た。
同社は、今回の売上の架空計上(社長手出し売上)の反省として、
・ 職務権限や職務分掌の見直し
・ Brideal事業本部における業務プロセスの見直し
・ みんなのウェディング事業本部におけるタイアップ広告に係る業務プロセスの見直し
・ 決算財務報告プロセスの強化
など上げているが、単に売り上げにおいて経理計上のチェック機能も常識もなかったことが露呈したまで、こんな会社をよくぞ上場させたものだということになる。
幸い、業績に対する金額のダメージが小額であるため、業績に与える影響はしれているが、上場企業という信用は大きく損なわれている。
今回の問題では、本日(25日)開催される定時株主総会で、代表の飯尾氏が取締役候補からはずれ、実質責任とっての退任ということになる。また、当時のブライダル事業部担当の佐々木取締役も25日退任するという。10月には中村取締役も辞任している。
何か、代表は仕方ないとしても、上場したての会社で5人の取締役のうち3人退任では穏やかではない。
ディー・エヌ・エーにしても、同社を分割するに当たり、当初から上場させる目的があったと見られ、独立当月に矢継ぎ早に増資を行っている。当然、それまでの売上計上の監督が杜撰な結果、こうした問題が発覚しており、幾分かは責任が問われよう。
<新社長には外部の内田氏就任>
25日の株主総会とその後の取締役会で、オフィス内田の内田陽介代表が、代表取締役社長CEOに就任する予定である。
内田陽介氏は、カカコムの取締役やフォートラベルの取締役を歴任している。
以上。
ただ、飯尾社長が、こうした売上を決算月に個人的な金を出してまで何故計上させたのか、その理由はこれまでのリリースで一切明らかにされていない。
9月決算の監査中にトーマツが不正計上を見つけたものであり、表沙汰せず、いくらでも修正をかけられたはずだ。同社が発表したのは11月14日、それまでに社内調査委員会を立ち上げ、調べた結果をリリースしている。逆算すれば10月には当問題が監査法人により社内に伝えられ発覚していたと思われる。ここまで、コトを大きくしたのには、何かほかの大きな力が作用しているのだろうか。それとも別の何かがあるのだろうか。飯尾氏の持ち株は上場目論見書では95万株、1000円としても9億5千万円(税引前)、何か腑に落ちない。
みんなのウェディング業績推移
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非連結/百万円
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12年9月期
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13年9月期
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14年9月期
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売上高
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555
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1,011
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1,504
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営業利益
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70
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175
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327
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経常利益
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70
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175
|
292
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当期利益
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60
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109
|
183
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総資産
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315
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536
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3,528
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自己資本
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216
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350
|
3,158
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資本金
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111
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123
|
1,436
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有利子負債
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0
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0
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0
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自己資本率
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68.6%
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65.3%
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89.5%
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