穴吹工務店 破綻への道④
<申立て事由>
同社は、明治38年創業、昭和36 年に㈱穴吹工務店として設立され、普通のゼネコン同様建築主体の事業を展開、賃貸や分譲マンション等を建築していた。昭和53 年に初の自社分譲マンション「サーパス小笹」(福岡市)供給以降は、分譲マンション事業を中心に事業を拡大してきた。
全国の地方都市を主な事業展開エリアとした地域密着の事業戦略、また分譲マンション事業における用地取得から企画・設計・施工・販売・アフターサービスまでを自社グループで一貫して行う独自のビジネスモデルにより供給戸数を増やし、平成21 年10 月末時点で全国(沖縄を除く)に1,294棟(74,845 戸)のサーパスマンションを供給してきた。
しかしながら、平成19 年夏以降米国サブプライムローン問題に端を発した金融市場の混乱とその後の景気後退により、不動産市況は悪化の一途をたどり、平成20 年9 月のリーマンショックを契機とした金融収縮と大幅な景気後退により、主力である分譲マンション事業の利益率は大きく低下した。
こうした状況に対応するため機構改革を行い、支店・営業所の統廃合、希望退職者を募集するなど行ってきたが、販売不振・金融機関の貸し渋りで、建設途中の物件もあり決済資金の目途が立たず、今回の事態に至った。
<09年3月期の決算状況>
<業績推移>
連結/百万円 | 19/3期 | 20/3期 | 21/3期 |
売上高 | 180,894 | 178,689 | 176,081 |
営業利益 | 8,569 | 4,712 | -3,656 |
経常利益 | 6,532 | 2,116 | -6,079 |
当期利益 | 2,605 | -2,476 | -13,834 |
<09年3月期の貸借対照表>
連結、百万円 | 09/3月期 | 科目 | 09/3月期 |
流動資産 | 139,622 | 流動負債 | 127,792 |
現預金 | 17,951 | 買掛債権 | 21,827 |
売掛債権 | 6,001 | 短期借入金 | 90,121 |
棚卸資産 | 96,164 | 前受・預り金 | 9,853 |
販売用不動産 | 15,755 | その他 | 5,991 |
その他 | 3,751 | 固定負債 | 43,451 |
固定資産 | 35,795 | 長期借入金 | 33,098 |
不動産 | 25,037 | 退職給与引当金 | 2,020 |
投資有価証券 | 4,600 | 預り保証金 | 2,687 |
信託不動産 | 2,365 | その他 | 5,646 |
その他 | 3,793 | 純資産計 | 4,178 |
資産計 | 175,421 | 負債+純資産計 | 175,421 |
<最新の役員状況>
代表取締役 | 元専務 | 朝倉泰雄 | 取締役 | 浅岡一彦 |
代表取締役 | 元専務 | 池内孝信 | 取締役 | 徳田善昭 |
取締役 | 常務 | 木村大哲 | 取締役 | 請川泰史 |
取締役 | 常務 | 竹内良樹 | 取締役 | 豊田耕三 |
取締役 | 元代取社長 | 穴吹英隆 | 取締役 | 真鍋浩二 |
取締役 | 蔭山仁志 | 取締役 | 大塚忠明 | |
取締役 | 土居伸敏 | 取締役 | 森口隆 |
<大株主の状況>
穴吹工務店/大株主 | 株数/千株 | 割合 |
穴吹国際交流センター | 3509 | 28.05% |
日進総合研究所 | 2938 | 23.49% |
テーオーシー | 958 | 7.66% |
旭不動産 | 743 | 5.94% |
穴吹工務店従業員持株会 | 613 | 4.89% |
[ 2009年11月30日 ]
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