アイコン 博多シティ開業で天神地区では百貨店1店分売上減少と試算/福大研究所

博多シティ福岡大学都市空間情報行動研究所は、新博多駅ビルの博多阪急や東急ハンズを核とする博多シティが3月3日開業することにより、博多駅地区への来訪者は35%増加、一方天神地区は5%減少と試算した。
商業施設の販売額も博多駅の78%増に対し、天神は▲12%減としている。博多駅地区は現行の1,093億円から1,952億円と859億円増加。天神地区は現行5,298億円が4,658億円と640億円も減少、百貨店1店舗分の売上高がすっ飛ぶ試算がなされている。

福岡都市圏から博多駅を訪れる客は現在、日に14万3千人、開業後は19万4千人と日に5万1千人も増加するとしており、博多駅経由の天神客は、これまでの2万人から、今後6千人に減少、また、天神にタムロ滞留していた2万3千人は、博多駅地区へ移動し、1万人にガタ減りすると試算している。

なお、日本政策投資銀行では、博多シティ開業で、天神地区の売上高は▲180億円減少すると試算していた。

福大・日本政策銀行、どちらの試算に転ぶか不明であるが、JR九州がハデに宣伝しまくっており、その宣伝は今ではかなり浸透、相当な影響を天神地区にもたらすと思われる。福岡市の流通業界は、博多シティ開業により、全般が落ち着くまでに2年はかかろう。

博多駅地区は、博多阪急は百貨店であり何れおばさんたちの店になろうが、若い人を引き付ける東急ハンズと229ショップの専門店街「アミュプラザ」があり、隣接して地下街やヨドバシカメラもある。
博多駅地区での消費者の滞留時間が長くなれば長くなるほど、売上高は天神地区より博多駅地区に軍配が上がる。

博多駅と天神の中間に位置する「キャナルシティ」も黙ってはおらず、秋には強力な4番バッターであるH&Mなどファストファッション店舗や生活雑貨店を大きくオープンさせる。

博多シティとキャナルで、天神地区はジャリタレファッションのコアやまだ新鮮味があるパルコなどは客の確保ができようが、へたすりゃ百貨店は総崩れになる危険性も秘める。
三越が追い込まれたら、即閉店であろうから、ヤマダ電機LABIがその跡に入居して再度家電戦争に突入、天神も賑やかさを取り戻そう・・・、それには3年かかる。

天神地区は、既に大名から赤坂門辺りまで伸びきった商売エリアとなっている。今泉・警固など天神地区界隈にも広く分散してまとまりがなくなっている。西通りも昔の人通りの面影はなくなっている。こうした天神地区の状況下、初物喰いが好きな福岡の県民性もあり、博多シティの開業は相当客層にインパクトをもたらすものと思われる。

博多駅詣出が一巡した後、博多駅地区に足りないものは、岩田屋前の空地や警固公園などのようなタムロする・休める場所ということになる。若い女性たちが待ち合わせなどでタムロすれば、自然に人は多くなる。JRさん如何かなぁ。
 

[ 2011年2月28日 ]
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