ITアウトソーシング市場規模3兆円 予測も発表/ミック経済研究所
情報・通信分野専門の市場調査機関であるミック経済研究所は、国内のハードウェアベンダ、データセンタ専業者、システムインテグレータ52社のITアウ トソーシングへの取り組みを調査した戦略マーケティング資料「成長を牽引するPaaS・IaaSとITアウトソーシング市場展望 2012年版」を4月 23日発表した。
<調査結果の概略>
<ITアウトソーシング市場調査結果>
本調査では、国内のハードウェアベンダ、データセンタ専業者、システムインテグレータ52社への取材により、国内のITアウトソーシング市場規模を予測。
また本調査では、ITアウトソーシングを以下の通り7セグメントに分類している。
[1]・ネットワーク&デスクトップサービス
[2]・データセンタアウトソーシング
[3]・SaaS・ASP
[4]・PaaS・IaaS
[5]・アプリケーションアウトソーシング
[6]・ビジネスプロセスアウトソーシング
[7]・プロセッシングサービス
【ITアウトソーシング市場は3兆円へ】
2011年度のITアウトソーシングサービス市場は2兆9,955億円、前年度比101.3%で、市場は拡大した。
データセンター活用によるコスト削減ニーズの増大、SaaS・ASPやPaaS・IaaSといったクラウドサービスの急速な普及によって、市場はプラス成長となった。
また、下期からはDR・BCP対応のためのハウジング、ホスティング案件の増加も市場金額を押し上げる要因となった。
2012年度も同市場は拡大する見通しで、市場規模は3兆507億円(予測)、前年度比101.8%となる。2011年度同様にコスト削減のニーズが根強く、アウトソーシングにより情報システムの運用コストやTCOを下げたいというユーザ企業からの引き合いは一層強まると見られる。
また、2011年度にはDR・BCPに予算を割けなかったユーザ企業でDR・BCPへの取り組みが本格化するともみられ、これも市場成長を促進することになる。
【PaaS・IaaSが急成長】
2011年度のITアウトソーシング市場のなかで、とりわけ大きく伸びたのはPaaS・IaaS市場であった。2010年度には190億円だった同市場規模は、2011年度に倍増に近い366億円へと一気に拡大。参入企業も増えた。この高い伸びの要因は主にふたつある。
ひとつは、製造業、流通業ユーザ企業が、既存事業の周辺ビジネスの拡張や強化へ取り組むにあたり必要となるITシステムの構築を、初期投資やTCOを抑えるためにPaaS・IaaSを活用するというニーズであった。
もうひとつは、スマートフォンとSNSの普及を背景とした、スマホ向け、SNS向けのアプリ開発ベンダーによる開発基盤やサービス提供基盤(本番環境)のためのインフラ需要である。
なお、PaaS・IaaSを既存事業の周辺ビジネスで積極的に活用しようというユーザ企業では、既存の基幹系システムまでPaaS・IaaSに載せて運用コストの削減をしたい需要はほとんどなかった。
PaaS・IaaSは、システム層を選びながら活用しコスト削減を図るという使われ方が一般的で、例えば流通業がモバイル端末向けのフロントエンドシステムを構築するさいにPaaS・IaaSを使い、これを既存の販売管理システムなどの基幹系システムにつなぐといったハイブリッドな使われ方が一般的となっている。(おいさんは用語がわからない)

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