アイコン HIS/九産交をTOBで子会社化

旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS)は22日、株式公開買付(TOB)によって九州産業交通ホールディングス(株)(非上場、熊本市、株主総数750名)の発行済株式(自己株式除く)の過半数を取得し、連結子会社にすると発表した。
九州産交はすでにHIS傘下にあるが、子会社化することでグループ力の強化を狙う。TOBは23日から実施する。
現在、九産交HDの筆頭株主は、沢田ホールディングス(旧エイチ・エス証券)で46.90%(980万2200株)を保有。
HISは31.31%(654万4100株)で第2位。
沢田ホールディングスは13・50%分(282万2100株)の応募を決めており、HISは最終的に九産交HDの50・10~55%の株式取得を目指す。

買付価格は1株570円。1株当たりの純資産額などを基に算出した価格523円。「TOBで企業価値の向上が見込める」と算出した。買付総額の上限は28億2150万円。6月19日まで買い付ける。購入株数4,950,000株を上限株数とし、応募株数が超えた場合は上限株数までで応募株数を按分計算する。

 
HISは「県民に広く支えられた公共性」を理由に、株式所有割合の上限を55%とした。
 
HISは子会社化の理由について「アジアからの誘客戦略を展開する上で熊本を含む九州観光の位置付けはますます高まっており、今後、九州産交の役割はさらに上昇する」と説明している。
 
九州産業交通HDの概要
① 名称 :九州産業交通ホールディングス(株)
② 所在地:熊本県熊本市中央区桜町3番10号
③ 代表者の役職・氏名:代表取締役社長 矢田 素史
④ 事業内容:事業持株会社:路線バス・観光バス・売店・不動産賃貸等
⑤ 資本金 :1,065百万円
⑥ 設立年月日:昭和17年8月17日
⑦ 大株主及び持株比率:澤田ホールディングス(株)(46.89%),公開買付者(31.31%)
 
<九州産業交通HDの業績推移>
連結/百万円
平成21 年3月期
平成22 年3月期
平成23 年3月期
売上高
22,491
21,243
21,183
営業利益
38
-141
-483
経常利益
-145
-305
-556
補助金収入
1,965
1,827
1,916
当期純利益
1,252
933
742
・補助金収入は、路線バスの県や市からの分
 
<九州産業交通HDの貸借対照表>
勘定科目
/百万円
勘定科目
/百万円
流動資産
3,670
流動負債
5,762
 (現預金)
1,401
 (短期借入)
450
 (未収入金)
1,379
 (1年内長期借入)
1,618
 
 
固定負債
16,078
 
 
 (長期借入)
7,494
 
 
 (リース債務)
1,109
固定資産
27,882
 (繰延税金負債)
5,414
 (土地)
19,077
負債計
21,841
 (建物)
4,828
株主資本
9,760
 (リース資産)
1,338
その他
-47
(投資その他)
1,159
純資産計
9,712
資産計
31,553
純資産+負債
31,553
 
     発行株式総数:46,501,843株(うち3,084株は自己株式)/株主数569名(平成23年3月31日現在)
     今回のTOBでは、純資産価額法により1株当たり523円と算出しているが、不動産や有価証券を時価評価している。

 

<九州産業交通ホールディングスHDの主要株主>

平成23年9月30日現在の主要株主

氏名又は名称

所有株式数/千株

発行済株式の割合

澤田ホールディングス(株)

9,802

46.89

(株)エイチ・アイ・エス

6,544

31.30

熊本第一信用金庫

526

2.51

(株)雇用促進事業会

500

2.39

ワールドキャピタル(株)

496

2.37

(株)熊本放送

300

1.43

南九州コカ・コーラボトリング(株)

300

1.43

熊本交通運輸(株)

110

0.52

熊本日野自動車(株)

100

0.47

熊本ファミリー銀行

100

0.47

熊本朝日放送(株)

100

0.47

(株)ヒューマン

100

0.47

(株)肉の大塚

100

0.47

19,078

91.27

 

[ 2012年5月23日 ]
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