有望なのに下がり続ける任天堂株
2007年に7万円だった任天堂株がとうとう9000円を切った ―
― コンプガチャが違法判断される前、GREEやDeNAの勢いが止まらないように見えていた頃、日経や産経が執拗に任天堂を名指しし「任天堂は終わった」と繰り返していた。
「ソーシャル軽視の任天堂は終わった」「もはやスマホの時代、ハンドルゲームの時代ではない任天堂は終わった」「ガチャを導入しない批判する任天堂は終わった」等々。
確かに、ギリシャ危機が叫ばれ、ユーロ不安が続く中、世界全体が市場の任天堂の株は下がり続け、下げ止まる気配すらない。
去年発売した新型ゲーム機である3DSの販売不振とそれによる大幅な値下げもあり、任天堂は上場以来、初の赤字決算となった。
それは日経・産経の頑張りのお陰ではないことは確かだ。
任天堂の大まかな不安要素は、円高や海外の不況による外貨不安、3DSの逆さやによる赤字、据置き機シェアの縮小、スマホ・SNSゲームの台頭、である。
(円高ユーロ安などはひとまず追いとくとして)ソーシャルやスマホが社の不安要素になることは、まずない。
どれだけマスコミが刷り込もうとも、すでに日本のSNSはギャンブル紛いだと化けの皮がはがれ、フェイスブックですら先行きが不透明だ。
スマホに関すれば、数多くの優良なコンテンツを抱える任天堂にとっては、それがないスマホは競合となりえないであろう。
据置き機のシェアが縮小したのは、MSのキネクトが成功したことも影響しているが、もともと新型機への移行時期であるから当然だ。
その新型据置き機「WiiU」は、今年の6月5日から7日までの3日間、ロサンゼルスのコンベンションセンターで開催されるE3で詳細が発表される。
岩田社長の質疑応答をみれば、任天堂は3DSとWiiの、普及前後の欠点・失敗を理解しており、それを踏まえた「WiiU普及戦略」を練りに練って実行するだろう。
今現在、任天堂株はピークの7万円台から大幅に下がり8千円台と、10分の1近くにまで落ち込んでいる。
元々がバブルとはいえ異常な落ち幅である。
その株式市場の任天堂に対する評価が正しいものなのかそうでないのかは、今はわからない。
3DSの逆さやの解消実現と、世界で2000万本以上売上げたソフトの続編の「マリオ新作」や「脳トレ新作」など優良自社コンテンツのさらなる市場投入も注目だが、年末発売予定であるWiiUの垂直立ち上げの成功が、世界に誇る娯楽企業任天堂復活の狼煙であることは間違いない。
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