アイロムH子会社が上善会から破産申し立てられる
SMO(医療機関向け治験支援)事業主力のアイロムホールディングス(=アイロムH)は、連結子会社である(株)アイロムメディックが、同社の取引先1名より東京地方裁判所に破産手続きの開始申立てがなされた旨、平成24年5月22日付同裁判所より通知を受けましたと次の通りリリースした。
1.株式会社アイロムメディックの概要(平成24 年3月31 日現在)
(1)名 称 :株式会社アイロムメディック
(2)所在地 :東京都千代田区富士見二丁目14 番37 号
(3)代表者の役職・氏名:代表取締役社長 深田 洋
(4)事業内容:クリニックモールの設置および賃貸事業
(5)資本金 :11百万円
(6)負債総額:101億78百万円
(7)親子間の債権債務関係:(株)アイロムメディックに対する関係会社長期貸付金86億48百万円
(8)株式評価額:1円
2.申立ての概要
(1)申立て又は通告に至った経緯
申立人は、アイロムメディックに対して損害賠償請求権を有すると主張し、同社が債務超過であることから支払不能状態であるとして当該申立てを行った。
(2)破産申立者又は通告者の概要
名称:医療法人社団上善会
所在地:東京都港区港南二丁目16 番1号品川イーストワンタワー3階
代表者の役職・氏名:理事長 内田叔宏
(3)申立て又は通告の内容
アイロムメディックを破産者とする。
3.本件破産申立てに対する見解
本件の破産の申立ては、アイロムメディックに対して債権者適格の無い者からの破産申立てであること、さらに同社においても実質的に債務超過もしくは支払い不能の状態にないことから破産原因が無い事案であると考えております。
4.今後の見通し
当社は、代理人弁護士を通じて申立代理人との間で折衝しており、両者間で破産申立ての取り下げを視野に入れて協議中であります。なお、申立代理人は、破産審問期日である平成24 年6月7日までに取り下げる、又は仮にそれまでの間に協議がまとまらず審問期日がもたれた場合は、申立人とアイロムメディックとの間で協議中であること及び破産手続きの進行は、協議状況をみてからにしてほしい旨を申立人が裁判所に上申することが約束されました。従いまして、本件の見通しといたしましては将来取り下げられる可能性が高いものと考えております。
なお、当該申立ての進捗について必要な開示事項が発生した場合には、速やかにお知らせいたします。
また、今回の当該申立てにより、当社の連結業績の見通しに変更等が生じる場合は、速やかにお知らせいたしますとしている。
アイロムホールディングスの業績推移
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連結/百万円
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2010年3月期
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2011年3月期
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2012年3月期
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売上高
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13,815
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13,990
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11,018
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営業利益
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-162
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340
|
-432
|
経常利益
|
-225
|
233
|
-1,697
|
当期利益
|
-731
|
226
|
-364
|
総資産
|
14,005
|
13,160
|
5,996
|
自己資本
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2,387
|
2,608
|
2,258
|
資本金
|
6,286
|
6,286
|
6,286
|
有利子負債
|
6,453
|
5,459
|
1,175
|
自己資本率
|
17.0%
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19.8%
|
37.7%
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増資金で生きている同社は、まだ自己資本が23億87百万円あり、大丈夫であろうが、直系子会社が破産を申し立てられるなど穏やかではない。何かこの会社にはイロイロありそうだ。
[ 2012年5月25日 ]
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