アイコン コカ・コーライーストジャパン/第3四半期 コカ社の苦悩

セントラル社は今期の4月、三国・利根・東京の各コカ社を統合し、コカ・コーライーストジャパンとなった。
米国のコカ・コーラ本体が、儲からなくなった日本事業に対して、強力に梃子入れして、日本のコカ販社を大きく2つにしてきている。
それは次のような危機によるものだろう。

<コカ社の台頭>
コカ社は、1956年日本初のボトラーである東京飲料(株)(旧 東京コカ・コーラボトリング)を設立して進出(翌年に日本コカ・コーラの前身の日本飲料工業設立)。 
日本進出当事、他人のフンドシで相撲を取るべく東京以外は、全国を地区割し、地区毎に地域の有力企業から出資をあおり、コカ・コーラ販売会社(ボトラー)を設立した。米本部の完全子会社の日本コカ・コーラが、コンサル代やら原液やらを徴収して利益を吸い上げるビジネスを展開してきた。
今ではコカ社グループは、自動販売機を全国へ張り巡らし、ロードサイドだけではなく、オフィス・工場・各種施設等へ設置するとともに、スーパーやコンビニ、食料品店舗でも販売されている。
 
<コンビニの台頭>
アメリカからイトーヨーカ堂が1973年にコンビニのセブイレブンを日本FCとなり日本初となるコンビニを誕生させ、店舗展開した。一方、スーパーのイトーヨーカ堂と東西の両雄であったダイエーも真似てローソンを1975年に発足させ店舗展開、ファミリーマートも1981年設立された。
それぞれが、大都会から地方都市へ店舗展開を加速。他にもコンビニが立ち上げられたが現在では大手3社に絞られている。コンビに数は本年9月段階で、全国に48,742店舗あり、セブンイレブンが空白県での店舗展開を加速させていることもあり、前年同月比5.5%もまだ伸びている。
コンビニの台頭に負けたのは、お菓子屋さん・文具屋さんのほか、惣菜・弁当屋さんが大打撃を受けた。コンビニへ行けば、生鮮食料品を除けば、日常の食料から雑貨まで揃い、大きな集客能力を有している。郊外のコンビニでは駐車場も設置されており、昼時には、弁当と飲み物を購入する客でごった返す有様だ。
 
<時代の変化>
コンビニがここまで台頭してこなかった場合は問題も少なかったろうが、今や工場地帯から、田舎まで張り巡らされており、飲料水の購買がそれまでの自動販売機からコンビニへ大きく変化した。また、工場などにも自動販売機は設置されているものの、弁当購入と同時に豊富な他社の飲料水も客は選ぶようになった。
そのため、コカ社の売上高は頭打ちになり、若干下げてもいる。しかし、売上高が下がっても工場・オフィス・施設等に設置している自動販売機の管理は、売上高に関係なく、管理する必要があり、そのコストが莫大なものとなってしまった。利便性から自動販売機が持て囃されてきたが、その利便性は完全にコンビニへ移行してしまった。
 
<利 益>
同社の強みであった自動販売機が、その管理において、逆にコスト高を招き、コンビニやスーパーでの販売を強化すれば、仕入値をたたかれ、粗利益率を悪化させるという2重苦にコカ社は陥って久しいものとなっている。
 
<商品開発力の欠落>
同社で売れているのは、ジョージア・コーラ・爽健美茶・綾鷹・アクエリアスくらいだろう。この中で比較的新しいものは綾鷹くらいである。いろいろな商品を開発販売しているが、ヒット作にまったく恵まれていない。モノがよかったら、所詮ヒット作など大きく宣伝するか、裏金使ってでもマスコミへの登場を頻繁にさせるか、金を使って口コミへ流すかなどにより作られるもの。
また、一時、隆盛を極めたトクホ商品の開発も大きく他社に出遅れた。こうしてみると売上高や利益、それに企業統合に目が向きすぎ、商品開発力が大きく損なわれていたようでもある。
 
連結/百万円
売上高
営業利益
営利益率
経常利益
当期利益
12年12月第3四半期
149,109
2,530
1.7%
2,619
1,445
13年12月第3四半期
246,786
8,077
3.3%
8,177
15,481
13/Q3/12/Q3比
165.5%
319.2%
 
312.2%
1071.3%
13年12月期予想
376,100
6,300
1.7%
6,400
10,900
13期予想/12期比
194.1%
186.0%
 
172.4%
668.7%
12年12月期実績
193,794
3,387
1.7%
3,713
1,630
11年12月期実績
193,081
4,047
2.1%
3,861
1,309
10年12月期実績
194,834
4,494
2.3%
4,823
2,149
09年12月期実績
193,595
1,837
0.9%
2,175
964
08年12月期実績
205,940
3,810
1.9%
3,926
1,538
07年12月期実績
205,448
5,531
2.7%
5,395
2,633
 
<参考・営業利益率>昔の面影はなくなっている
 
連結/百万円
売上高
営業利益
営業利益率
北九州コカ社
1995年12月期
92,405
10,051
10.9%
三国コカ社
1995年12月期
114,882
7,251
6.3%
コカ・セントラル
2002年12月期
216,872
6,655
3.1%
・2001年に中京コカと富士コカ社が合併してコカ・コーラセントラルジャパンに。
・2013年4月、セントラル社と三国・利根・東京が合併してイーストジャパンに。
 
<参考>コンビニに焦点を絞った伊藤園
参考、伊藤園の業績推移
連結/百万円
売上高
営業利益
営益率
経常利益
当期利益
13年4月期
403,957
20,250
5.0%
19,914
11,244
12年4月期
369,284
18,907
5.1%
17,985
9,249
11年4月期
351,692
17,679
5.0%
16,526
7,675
10年4月期
332,984
12,453
3.7%
11,679
5,996
09年4月期
332,847
10,613
3.2%
10,376
4,765
05年4月期
263,764
19,710
7.5%
19,216
10,451
98年4月期
134,655
8,923
6.6%
8,166
3,117
 
<参考>サントリー食品i大きくなっても確実に営業利益率を確保
参考 サントリー食品の過去2ヶ年の連結業績
連結/百万円
売上高
営業利益
営益率
経常利益
当期利益
2012年12月
992,160
58,446
5.9%
54,033
23,385
2011年12月
893,353
59,789
6.7%
55,529
29,497
 
[ 2013年11月12日 ]
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