アイコン 日産化学 「リバロ」につき ジェネリック医薬品会社11社を提訴

日産化学工業は1月15日、高コレステロール血症治療剤「リバロ」の後発品製造販売会社である相模化成工業、日医工、寿製薬に対し、同社が保有する当該有効成分の結晶形についての特許権侵害行為の差し止めを求める訴訟を、東京地方裁判所に提起した。
なお、同社は、昨年12月25日付でもダイト、持田製薬、小林化工、Meiji Seikaファルマ、東和薬品、鶴原製薬、科研製薬に対し、同様の訴訟を提起しており、今回が2回目の措置となる。
今後も、同社は「リバロ」に係る知的財産権を侵害する行為または侵害するおそれのある行為を 確認次第、直ちに法的措置を講じるとしている。

<リバロについて>
「リバロ」は、日産化学工業が原薬を創製、製造し、興和が独占的にグローバル展開(開発、製剤製造、販売、他社提携など)している医薬品。
国内では、興和が商品名「リバロ錠1mg・リバロ錠2mg・リバロ錠4mg /リバロOD錠1mg・リバロOD錠2mg」として製造販売し、興和創薬が販売している。
本医薬品は、強力なLDLコレステロール低下作用を示すHMG-CoA還元酵素阻害剤としてストロングスタチンに位置づけられ、その優れた脂質異常改善効果以外にも数多くの知見により、長期使用での安全性、薬物相互作用発現の低減、糖尿病合併時の有用性等が確認され、日本国内をはじめ海外でも多くの脂質異常症患者向けに処方されている。

<医薬品の特許権>
医薬品の特許には、物質特許(有効成分)・製法特許(製造方法)・用途特許/医薬特許(効能効果)・製剤特許(用法用量)の4種類ある。
ジェネリック医薬品(Generic Drug、Generic Medicine)は、医薬品の有効成分そのものに対する特許である物質特許が切れた医薬品をいい、他の製薬会社が製造或は供給する医薬品。

<医薬品の特許有効期間>
先発医薬品(先薬)の開発には巨額の費用と膨大な時間(約9~17年)を必要とするために特許権の存続期間は原則として特許出願日から20年の経過をもって終了する。

しかし、先発医薬品の製造・販売の承認を得るには長期間を要するため、特許権を取得したにもかかわらず、対象となる医薬品の製造・販売の承認が依然として得られないケースが多い。その場合、特許権の存続期間を最長で5年間延長できる。
先発企業は同一薬効成分に新たな効能・適用・結晶型などを発見することで特許権を追加取得したり、製剤・剤型を見直して効能以外の付加価値を付けるなどして、後発企業の進出に対抗している。
効能が大きければ大きいほど、ジェネリック医薬品を扱う医薬品会社は多くなる。

当たり外れが大きい医薬品開発の巨額負担をせず、バカ当たりした医薬品だけをジェネリック医薬品として販売、ボロ儲けしているジェネリック医薬品専門会社もあり、保険適用点数に問題がある。
今回の提訴の判決は、医薬品業界や司る厚労省にとっても興味あるものとして注目されるが、日本の裁判制度での判決には長時間を擁し、そのころには当薬剤のすべてで特許権が切れジェネリック化していることだろう。

[ 2014年1月16日 ]
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