アイコン 11月の企業物価指数2ヶ月連続低下 デフレ傾向示す  企業の景況感は前回より大幅悪化

日銀が10日公表した11月の国内企業物価指数(2010年平均=100)は105.3と、前年同月に比べて2.7%上昇した。上昇幅は10月より0.2ポイント縮小した。前月比では0.2%下がり、2ヶ月連続で低下した。
 消費税率引き上げの影響を除くと、前年同月比の伸び率は▲0.2と、2013年3月(▲0.5%)以来、1年8ヶ月ぶりに下落した。
国際商品市況での原油安が石油・石油製品の価格下落を通じて企業物価全体を押し下げた。
化学製品は、原油安に加えて、アジア域内の需給の減少が価格下落につながった。国内では精米・玄米で在庫が増えているという。
日銀調査統計局は、為替の円安による押し上げ効果や国内の建設需要の盛り上がりを反映した値上がりはほぼ一巡したとみている。

半面、先行きについては、円建ての原材料の輸入価格に上昇傾向がみられ、食料品やパルプではコスト上昇分を価格に転嫁する動きがあるという。「値下げ、値上げの動きが国内の財の価格にどう波及してくるのかしっかり見ていきたい」とした。
 企業物価指数は、企業同士で売買するモノの価格動向を示すものだが、公表している814品目のうち、前年同月で上昇した392品目、下落したのは345品目。上昇した品目が下落した品目を上回るのは15ヶ月連続となっている。

<大企業の景況感は+5.0、中小企業▲10.1>
<大企業>

内閣府と財務省が10日発表した10~12月期の法人企業景気予測調査によると、大企業全産業の景況感を示す景況判断指数はプラス5.0だった。
2期連続のプラスとなったものの、7~9月期(プラス11.1)からプラス幅は縮小した。
原油安による原材料価格の下落や円安による輸出拡大で化学工業などでは景況感が回復したが、消費増税の影響が残り自動車や機械器具などが悪化した。10~12月期は前回調査時点の見通し(プラス9.9)も下回った。
 大企業のうち製造業はプラス8.1(7~9月期はプラス12.7)。化学工業に加え、販売価格の転嫁が進む食料品製造業で改善が目立った。
非製造業はプラス3.4(同プラス10.2)。外国人観光客の増加により、サービス業などで改善したものの、電気・ガス・水道業、情報通信業で悪化した。

<中小企業>
 中小企業の景況判断指数は全産業で▲10.1。製造業が▲9.7、非製造業は▲10.2だった。
 結果について財務省は「景気は緩やかな回復基調が続いているという経済全体の傾向を反映している」としている。・・・ほんとかなぁ。

単位:%ポイント
26年7~ 9月
26年10~ 12月
27年1~ 3月
27年4~  6月
前回調査
現状判断
見通し
見通し
大企業
全産業
11.1
(9.9)
(7.3)
1.6
5.0
5.0
製造業
12.7
(15.1)
(8.1)
0.2
8.1
6.1
非製造業
10.2
(7.2)
(7.0)
2.2
3.4
4.5
中堅企業
全産業
5.1
(10.8)
(5.8)
▲ 1.0
0.8
0.2
製造業
2.6
(13.1)
(5.7)
▲ 0.5
1.0
▲ 1.6
非製造業
5.8
(10.1)
(5.8)
▲ 1.2
0.8
0.7
中小企業
全産業
▲ 10.0
(▲ 0.6)
(▲ 3.9)
▲ 8.2
▲ 10.1
▲ 10.5
製造業
▲ 9.5
(1.3)
(▲ 6.7)
▲ 6.1
▲ 9.7
▲ 12.1
非製造業
▲ 10.1
(▲ 1.0)
(▲ 3.3)
▲ 8.6
▲ 10.2
▲ 10.2
 
日本は中小企業が多く、大企業ばかり見ていると、7~9月の経済成長率の改定値で悪化したような轍を踏むことになる。政府・日銀・官庁は、世の中は公務員と大企業で成り立っていると思っているのだろうか。
[ 2014年12月10日 ]
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