アイコン 玄海原発岸本町長の本音 廃炉後新規原発建設を 固定資産税の減少ほか

玄海町は人口6千人の町、農業と水産業の過疎地によく見られる大都市からも遠く離れた田舎町。原発による発電が主要産業となっている。

九州電力玄海原発が立地する佐賀県玄海町の岸本英雄町長は18日、時事通信の電話取材に対し、同原発1号機の廃炉決定について「一定の覚悟はしていた」と語った。
玄海町での原発新設に関しては「視野に入れないといけない。冬の一番寒い時に余裕が3%しかなかったが、いつ停電してもおかしくない」と述べた。
 以上、時事通信

町長の真意は、柏崎原発が現在7基まで増加し続けて行った過程と同じだろう。町の収入となる固定資産税が老朽化していくごとに減少していく。廃炉ともなれば一挙に減少することになる。

 その固定資産税が減れば、公共施設の維持費もバカにならず、新たなる建設投資も減少することになる。人口6千人足らずの玄海町である。
これまで、玄海原発1号機が運転開始した1975年度から2010年度までに、玄海町が受けた電源立地地域対策交付金や核燃料サイクル補助金、広報・安全交付金などの「電源3法交付金」は総額約267億円に上る。これら膨大な交付金などで各所に設けてきた公共施設がある。電源交付金も1基減少すれば減る。

それに加え、岸本町長の家系の事業は土木建築業の岸本組、長男の英雄氏が町長に、実弟が家業を継ぎ社長をしている。同社は町工事、九電の工事、県工事など官庁工事などにより、2014年4月期の売上高は39億24百万円、自己資本44億59百万円、自己資本率68.5%の優良企業。元請・下請とも殆どが九電含む官庁からの受注となっている。
当然、固定資産税の減少、電源交付金の減少、九電工事の減少は同町にも同社にも打撃となる。

<岸本町長の本音>立地自治体の長を代弁
国と九電からもたらされる膨大な原発資金が玄海町の財政を潤してきた。そうした棚からボタ餅資金が減ることを町長として個人として容認できるはずがない。
果ての町玄海町は、農業以外これといって産業はなく、これまでの交付金等により原発漬けでしか生き残れないようになっている。
岸本町長にとってフクシマの現実は他人事、今回玄海原発1号基が老朽化のため廃炉決定との報道を受け、町長として個人として本音を言ったまで。フクシマ以外の原発立地自治体の本音を代弁したとも受け取られる。

原発漬けの立地自治体は、廃炉でなくても固定資産税が減り続け、増設を働き続けるしかない自治体の体質となっている。ましてや廃炉ともなると急に当該の固定資産が入らなくなり深刻だ。
電源交付金も国の財政事情を鑑みれば、いつまでも高額支給される保証はない。こうした立地自治体は、財政の肥満児体質となっており、ダイエットすることは並大抵ではない。長期で見た場合、固定資産税の減少と老朽化による廃炉もあり、電力会社に原発を造り続けてもらわなければならない。

昨年6月、石原環境大臣殿がフクシマ県民に向かっていみじくもおっしゃった「最後は金でしょ」は、安全神話を信じたばかりに流浪の民と化かし、子供の甲状腺がん発症に怯え続けるフクシマ県民にとっては残酷過ぎる発言であるが、ほかの原発立地関連自治体に対しては、フクシマの現実を他人事にしている以上言えているのではなかろうか。

[ 2015年3月19日 ]
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