アイコン 北海道栗山町 焼肉店での食中毒  カンピロバクター菌

北海道中央部の夕張郡栗山町の焼き肉店「とんとん亭」で3月19日に食事し、食中毒症状を訴えて入院していた町内の中学3年の女子生徒(14)が今月1日に死亡したことが、3日分かったと報道されている。
道警などが食中毒と死亡に因果関係がないか調べている。
町教委によると、女子生徒は3月22日に腹痛などを訴えて札幌市内の病院に入院。その後、容体が悪化し、1日午後0時45分ごろに死亡した。
 岩見沢保健所などによると、栗山町の焼き肉店「とんとん亭」で3月19日、バイキング形式で食事をした男女計14人が下痢や発熱などを訴え、女子生徒が入院した。14人中5人の便から食中毒菌カンピロバクターが検出された。
以上、報道。

<カンピロバクター菌について>
カンピロバクター菌による食中毒はノロウイルスに次ぎ多いという。
カンピロバクターは、家畜の流産あるいは腸炎原因菌で、ニワトリ、ウシ等の家きんや家畜をはじめ、ペット、野鳥、野生動物などあらゆる動物が保菌している。
研究では、健康な牛の肝臓及び胆汁中のカンピロバクター汚染調査を行ったところ、カンピロバクターは、従来、胆汁には存在しないと考えられていたが、胆嚢内胆汁236検体中60検体(25.4%)、胆管内胆汁142検体中31検体(21.8%)、肝臓では236検体中27検体(11.4%)が陽性であることが示されている。また、肝臓中のカンピロバクターの菌数は平均で10~55個/g(部位による)だった。
家畜は、健康な状態において腸管内などにカンピロバクター、腸管出血性大腸菌などの食中毒菌を持っていることが知られており、家禽もカンピロバクターやサルモネラ属菌を保有している場合がある。

<除去は困難>
一方、今日の食肉又は食鳥処理の技術では、これらの食中毒菌を100%除去することは困難とされている。

<感染と症状>
症状については、下痢、腹痛、発熱、悪心、嘔気、嘔吐、頭痛、悪寒、倦怠感などであり、他の感染型細菌性食中毒と酷似している。
多くの患者は1週間で治癒し、通常、死亡例や重篤例はまれだが、若齢者・高齢者、その他抵抗力の弱い者は重症化の可能性が高いことに注意が必要。
また、潜伏時間が一般に2~5日間とやや長いことが特徴。また、カンピロバクターに感染した数週間後に、手足の麻痺や顔面神経麻痺、呼吸困難などを起こす「ギラン・バレー症候群」を発症する場合があることが指摘されている。

<予防と対策>
食中毒予防の観点から若齢者、高齢者のほか抵抗力の弱い者については、生肉等を食べないよう、食べさせないこと。
  なお、通常の加熱調理(中心部を75℃以上で1分間以上加熱)を行えば、カンピロバクターや腸管出血性大腸菌などは死滅するため、牛レバーや鶏肉を食べることによる感染の危険性はない。
牛レバーのカンピロバクターが、調理器具に付着、包丁など洗わず牛肉のカット処理により肉に付着、生煮えでの焼肉(牛レバーや牛肉)は、感染の元となる。
米国では飲料水を介して感染が広がり2000人の集団感染の事例もあるという。

カンピロバクター食中毒の発生状況
平成
15
16
17
18
19
20
事件数(件)
491
558
645
416
416
509
患者数(人)
2,642
2,485
3,439
2,297
2,396
3,071
 
[ 2015年4月 3日 ]
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