中国国営の新華社通信によると、ＦＡＳＴの完成は２０１６年を予定しており、研究者は数百億光年離れた場所からの電波信号を探知することが可能になるという。
より弱いシグナルをも逃さないため、回転放物面のアンテナ（パラボラアンテナ）は直径500メートルという超大型の球面反射面で、4,450枚もの主反射鏡により構成される。周囲5kmに電波ノイズを発する施設などは一切存在しないという。

ＦＡＳＴプロジェクトの主任科学者は、「電波望遠鏡は高感度の耳のようなもの。宇宙内の意味のある電波信号をホワイトノイズ（全ての周波数で同じ強度のノイズ）と区別して聞き分けることができる。これは雷雨の中でセミの鳴き声を聞き当てるようなものだ」と述べている。

これまでにない正確さにより、天の川などの天体を観測できるようになるほか、地球外生命体の兆候を探すうえでも前進となる。

米航空宇宙局（ＮＡＳＡ）は７月、地球によく似た惑星「ケプラー４５２Ｂ」を発見した。この惑星は、地球にとっての太陽に相当する恒星から適切な距離にあり、大気や液体状の水が存在できる、いわゆる「ゴルディロックスゾーン」にある。
この惑星からの電波信号や生命の兆候を探知するのは現在の技術の域を超えているが、ＦＡＳＴならこれが可能になるかもしれないという。

中国天文学会の理事長を務める武向平氏は強気だ。「ＦＡＳＴは銀河系の外の知的生命体を探し出し、宇宙の起源を探るための助けとなるだろう」と話しているという。
以上、CNN
現在世界最大は１９６３年に建設されたプエルトリコのアレシボ天文台の電波望遠鏡で直径３０５メートルある。また、ハッブル宇宙望遠鏡は、宇宙観測用の人工衛星で大気などに影響されない優れもの。しかし、リッチー・クレティエン式反射望遠鏡で電波望遠鏡ではない。