アイコン 中国の南沙諸島埋立ての脅威 南シナ海・東シナ海の領海化を進める

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中国は昨年8月、南シナ海にある南沙諸島(スプラトリー諸島)のファイアリー・クロス礁(中国名:永暑礁)に人工島を造り始めた。
南シナ海は、フィリピン、ベトナム、マレーシアなど周辺諸国と米国は「国際規範に反する現状変更行為」だと反発したが、中国は工事を強行した。
それから1年、珊瑚の環礁は埋め立てられ、長さ3000メートルの滑走路を持つ大きな島に生まれ変わった。滑走路のほか、港、早期警戒レーダー、対空砲、通信施設に温室・農場まで備えている。現在7ヶ所を埋立て中でもある。
 最近、中国に対して口先外交ばかりのオバマ米大統領が、口先ばかりではラチが開かず、事態は悪化するばかりと、やっと本腰を入れ始めた。
 
 米イージス艦が航行したスービ礁は、3000メートル級の滑走路の建設が進み、衛星通信施設とみられる建造物が設置されている。埋立前は、満潮時に水没する「低潮高地(暗礁)」で国連海洋法条約上、周辺海域を領海と主張できない。埋め立てても領海とは認められない。

<南シナ海を領海とする野望>
単に人工島一つの領有権をめぐる問題ではない。
中国の人工島建設は、米国に対する「接近阻止・領域拒否(A2AD)」戦略に伴うもの。中国は、米空母などが中国周辺海域に接近することを阻止するため、沖縄や南沙諸島などを結ぶ「島鏈」という仮想の防衛ラインを引いている。

中国は、南シナ海全域を自国の領海とするため、9段線を一方的に線引きし、南シナ海から東シナ海一帯を中国の領海=「内海」化し、その先の太平洋域まで制海権を拡張しようとしている。
しかし、これは、米国がこれまでに中国の太平洋進出を防ぐために張り巡らした包囲線とほぼ重なる。また、南シナ海に対する軍事上の拠点であるグアム空軍基地が限りなく近くなる。

 中国は、南シナ海に眠る天然ガスと原油を全部獲得するための手段として、南シナ海全域の領海化を進めている。
 当然、南シナ海全域の領海化への一歩となる南沙諸島埋立ては、防衛面からも南シナ海から米軍を追い出す手段にもなる。

<軍事的脅威>
 中国は、今年9月3日の軍事パレードで、新型の中距離弾道ミサイル「東風21D」を披露した。移動式の地対艦ミサイルの「東風21D」の射程距離は約2000キロ、迎撃が困難な「空母キラーミサイル」とされる。
「東風26D」は、移動式発射台から発射し、すでにグアムまで射程圏内。米海軍の強大な戦力をけん制するための新兵器となっている。
 
こうした中国の動きに対して米国は、横須賀の太平洋艦隊を強化。現役最強の原子力空母「ロナルド・レーガン」を配置し、今月にはイージス艦「ベンフォールド」なども追加配備した。
来年には、次世代タイプの超大型空母「ジェラルド・フォード」がアジア・太平洋地域に投入する計画となっている。
「東風26D」を無力化するため、新しいミサイル防衛(MD)システムや衛星・電子戦兵器、ステルス駆逐艦の配備も検討されている。

<オバマの口先外交とへっぴり腰に乗じた中国>
それもこれもオバマ大統領の口先だけの外交に気を良くした中国習政権が、2013年12月、東シナ海に中国が一方的に防空識別圏を設定したことに始まっている。外交政策では盟友のイギリスまでも中国に取り込まれるなど米大学の世論調査でも最悪の米大統領と評されている。
しかし、米国の利益を損なう中国の動きに、遅ればせながらも実力行使に出てきたことは評価に値する。

<東南アジアの動き>中国の投資にすがる各国
こうした南沙諸島を睨むフィリピンの旧スピッチ海軍基地(当時アジア最大の米軍基地、フィリピンから追い出された)を、中国からフィリピンが領有している南沙諸島から追い出され、漁船さえも実力で追い返される現実に、再度、米軍に基地として提供する動きとなっている。
しかも、南シナ海では、すでに海南省ながら漁船の操業は、中国から許可を取れと発信している。
ベトナムは、ベトナム戦争直後に、ベトナムに侵攻してきた中国軍との間で生じた中越戦争、ともに共産党政権ながら、ベトナムは旧ソ連寄りで、もともと仲はよくない。最近でもベトナム漁船さえ中国は攻撃し、ベトナムの領海内での石油開発も中止に追い込んでいる。ベトナム領海内で、中国は石油開発調査を行うなど挑発も行っていた。南シナ海全域が中国の領海だとした動きであった。

インドネシア新政権が、タイの軍事政権が中国になびき、南シナ海で領有権で対立するマレーシアでさえ、先般中国海軍と共同訓練を行っている。

米国が中国の国営企業を上場させたことに始まる中国の富国化は、いまや巨大化し、その金は、韓国や東南アジア各国を手玉に取る勢いとなっている。

今回の南沙諸島を一方的に中国領だとして埋め立てる中国に対して、その領海域にイージス艦「ラッセン」を航行させたが、中国は、今後は米艦船の航行を無視して埋立てを継続し、実効支配を強化してくるものと見られる。南シナ海全域が中国の領海になる日も近い。オバマのここ1年間の失策は、日本にとっても取り返しが付かないものになってきている。 

中国政府は米イージス艦の領海内航行に対して「中国は終始一貫して、国際法に基づく南シナ海での各国の航行の自由と飛行の自由を尊重、維持している。しかし、いかなる国であれ、航行と飛行の自由を言い訳とする、中国の主権と安全、権益を侵害する行為には断固反対する。中国は領土主権と安全、合法的且つ正当な海洋権益を断固守り、相手が如何なる国であれ、挑発に対しては、中国は必ず対応措置をとることになる。今後、我々は引き続き関連海域と空域を厳しく監視し、必要があればあらゆる対応措置をとるだろう」と表明しているとおり、すでに南シナ海は中国領だと宣言している。

こうした意味でも、中国経済を一度大きく崩壊させる必要もあるが、日本への影響が大き過ぎ、借金大国の日本は耐えられないだろう。

[ 2015年10月28日 ]
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